所報7月号
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第34 回 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!の方しか知らないというのが現状です。今後は、どのような出荷・販売体制を構築することが効果的かを分析し、将来的には養殖クロマグロと同等以上の卸値で取引されることを目標としています。アンケート結果によると、スマの刺身やにぎりは非常に好評を得ています。新鮮なスマを食べるために、南予地域に足を運んでもらえるような地域活性化のモデルもあわせて検討し、今後も研究を進めていきます。 南予地域は養殖漁業が盛んであり、マダイやブリなどの主要魚種のほかに、スマ(ヤイトガツオ)やカワハギといった新しい魚種の開発・研究も行われています。私は、養殖魚についてのマーケティング研究や、後継者不足・高齢化などの問題が山積している漁村地域の活性化のための6次産業化のビジネスモデル研究などを行っています。漁業関係者、流通業者、消費者にとってどのような売り方、流通方法が最適なのかを「漁業」という産業全体で考えています。特にスマはクロマグロに似て大変美味で、現在、事業化に向けた研究を愛媛県と愛媛大学が共同で行っています。養殖スマに対する消費者の声を聞くため、今年の5月に愛南びやびや祭りにて大規模な試食会を実施し、アンケート調査を行いました。事業化に向けては、まず生産体制を確立することが重要ですが、どのように売るのかという出荷・販売体制も非常に重要です。そのため、養殖研究とあわせて販売戦略の検討も行っています。 今年の6月に、スマの種苗約3,800尾が愛南町の養殖業者に委託され、試験養殖が始まりました。順調にいけば、来年の冬に初出荷となります。しかし、スマは全国的に見れば、まだ知名度が非常に低く、愛媛県においても約3割第34回 産学連携による地域の課題解決を No7 カタクチイワシやスマの養殖などの研究で全国から多くの注目を集めている、「南予水産研究センター」。今回は同センターに昨年末から従事されている鈴木先生にお話を伺いました。~南予水産研究センター~ 3歳になる女の子を育てる一児の母。週末は娘さんと一緒に県内各地を散策している。最近では、松野町の「おさかな館」を訪れ、「幻の魚」アカメを見学したとか。好きな食べ物は、タイ、タコ、貝類全般。│プロフィールを 教えてください。 出身は岡山県の真庭市です。近畿大学農学部国際資源管理学科に進学し、卒業論文では、沿岸域管理をテーマに選び、東京海洋大学大学院に進学後もダイビングや釣りなどのレジャーと漁業操業の間で、双方が円滑に海を利用でき、最も利益を享受できるような地域ごとのルール作りなどについて研究しました。大学院修了後は、近畿大学に戻り、グローバルCOEプログラム「クロマグロ等の養殖科学の国際教育研究拠点」で博士研究員を3年間務め、結婚・出産を機に、水産関係のコンサルタント会社を知人から引き継ぎ、漁村振興のための実態調査などを行っていました。そして昨年12月、愛媛大学南予水産研究センターに着任しました。│今後の 展開について・・・。│南予水産研究センター での活動内容について・・・。鈴木 幸子 氏愛媛大学 南予水産研究センター 助教授 博士(海洋科学)コラム13

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