所報9月号
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 当社が社員の健康づくりに対して組織的な取り組みを始めたのは、まだ、健康経営という概念がつくられる前の2002年になります。テレビCMの効果から、当社は昔から大企業だと思われていましたが、入社当初は、社員数は約550名で、社員の顔と名前が一致するような会社でした。その後、化粧品分野で業績を伸ばし、23期連続の増収となり、従業員は約6,000人を数えるようになりました。一方、企業が成長する際には、社員に何らかの圧力がかかります。売上の伸びにあわせて従業員数を拡大することは難しく、システムや考え方が変わらない中で事業が拡大するため、必ず歪みが生じます。当社も、社員の健康面などで問題を抱えることとなり、企業は成長しているが、どうやら社員が傷ついているのではないか、そんな噂が流れていました。一人の女性社員が経営陣に対して、「会社の売り上げや利益を出す、それだけで良いのか。社員が幸せでないのに。」と意見しました。その言葉を、当時の経営幹部はしっかりと受け止めてくれたことが始まりでした。 社員の先に取引先やお客様がいるため、社員が元気でなければ良い仕事はできません。しかし、競争に打ち勝っていくためには、次々と問題が起きる中でも、走り続けるしかありません。経営に物申した若手女性社員に「君ならどう対応するか、自分で考えてみないか」と投げかけました。そして、この社員のアイデアを受けて「オールウェル推進室」と「『働くこと』=『健康になること』」〜健康経営銘柄に選ばれたロート製薬の取り組み〜ロート製薬株式会社 広報・CSV推進部部長 河崎 保徳 氏※当会議所では健康経営を推進しており、去る、8月25日に健康経営シンポジウムを開催しました。その基調講演の内容を誌上講演会としてお届けします。(あわせて開催したパネルディスカッションについては9ページをご覧ください。)誌上講演会社員が幸せであるために…健康に関する取り組みを実施企業は成長しているが社員が傷ついているのでは…特集2

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