所報9月号
5/28

慶應義塾大学経営管理学科MDP修了、日本生命保険相互会社を経てロート製薬に入社。営業/マーケティング畑を歩み、商品企画部長、営業部長、営業企画部長などを歴任し、現部署にて健康経営の推進に携わる。profileロート製薬株式会社 広報・CSV推進部部長 Profile河崎 保徳 氏施しました。2014年には、社内外に経営のトップが社員の健康に深く関与することを示すため、CHO(チーフヘルスオフィサー)を設置し、副社長が就任しています。CHOは、社員の中から健康に興味がある人を公募し、自らが健康について考えるチームを発足しました。チームからの提案を実行することで、他の社員はチームを応援するようになり、自然と社員の意識が健康経営と同じ方向を向いてくれるようになりました。 特徴的な取り組みとしては、女性社員の婦人科健診を無料化し、受診率は40%から90%になりました。社内で妊活セミナーも行っており、当社の産休・育休の復帰率は100%です。また、若手の女性社員を中心に朝活を実施しています。これも社員からの提案ですが、朝食を食べていない社員が多いことから、早く会社に来て、栄養のあるものを食べながら、情報交換を行うという活動です。朝食を食べると、午前中の生産性は大きく向上します。 また、当社の取り組みで一番大きな役割を果たしたのは、外部のベンチャー企業と開発した「健康100日プロジェクト」です。健康への取り組みは苦痛を伴うため、長くは続きません。それを面白くするために5〜6人のチームを作り、PCやスマホのアプリなどを活用して、禁煙やメタボ解消の取り組みをチーム戦にしました。対抗意識が芽生えて、ゲーム感覚で取り組みが進められました。結果、大きな成果を上げるとともに、このプロジェクトにより、多くの社員が健康の大切さを実感しました。 健康経営に取り組んでも、直接的には売上は上がりません。上がるのは、社員のモチベーションです。社員が会社に誇りを持てるようになり、これが生産性の向上につながります。健康経営を推進すると、仕事の質が上がるという方が正しいと思います。健康であることは、プロの仕事人の要件であり、個人の問題です。健康は企業がプレゼントするものではありません。24時間使えるスポーツジムなどを提供しても、効果は上がらないと思います。また、健康経営に社員が依存すると、不健康を企業に責任転嫁を始めます。企業が行うことは、環境づくりや仕掛けであり、実施するのは自分自身だという動機づけが重要になります。今後、海外をはじめ、企業間の競争は激化します。当然、ストレスも増えていきます。この競争に勝ち抜くことができ、ストレスを受け流せる、体や精神をつくらなければ、時代を乗り切ることはできません。そのためにも、当社では、日本一健康意識が高い社員をつくっていきたいと考えています。いう部署を新設しました。この部署では、健康な人も何か問題を抱えている人も、全ての社員が生き生きと働くためには、何をすれば良いのかを考え、実行することとしました。まず、自分の体を理解する機会を提供するため、体力測定を実施し、良い結果が出た社員を表彰しました。続いて、薬膳料理を提供するなど食堂の改革を行ったほか、就業時間中の利用も可能で、悩みも聞いてくれるマッサージ室を開設するなど、様々な施策を実無料検診・朝活・健康100日プロジェクト…日本一健康意識が高い社員づくりへ特集3

元のページ 

page 5

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です