所報11月号
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 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!産学連携で地域経済をパワーアップ!きぎょう発かいぎしょ経由だいがく行No.48No.48地域と連携した観光まちづくり~ 愛媛大学法文学部人文社会学科での取り組み ~ 幅広い教養と深い専門性の上に実践的な能力をも兼ね備えたグローバル人材の養成を目的に、今年4月に改組された愛媛大学法文学部人文社会学科。同学部において教鞭に立ちながら、愛媛の都市政策や観光まちづくりに携わる米田氏にお話しを伺いました。│プロフィールを 教えてください。│愛媛大学での 活動については…。│企業との 連携について…。 企業や政府、地方自治体のアドバイザーや専門委員も務める米田氏。趣味は「旅」で、国内外を問わない。最近気になる県都は、松江、静岡、金沢。座右の銘は「熟すまで考え、そして行動する」。53歳。米田 誠司 氏愛媛大学 法文学部人文社会学科 准教授・博士(公共政策学) 生まれは福岡県北九州市、育ちは山口県下関市です。早稲田大学理工学部に進み都市計画を専攻し、同大学院の理工学研究科修士課程を修了しました。卒業後は東京都に奉職し、多摩ニュータウン開発や都営地下鉄建設等に携わりました。旅で訪れて大分県由布院のまちづくりに興味を持っていたことをきっかけに、公募されていた由布院観光総合事務所事務局長に挑戦し、全国93名の中から選ばれて1998年に事務局長に就任しました。事務局長として、由布院温泉観光協会・旅館組合の活動や滞在型観光地づくり、ゆふいん流グリーンツーリズムの研究、地域間連携などに取り組みました。その中で業務を続けながら熊本大学大学院社会文化科学研究科に在籍し、博士課程を修了しました。2012年4月より、愛媛大学の法文学部総合政策学科(現・法文学部人文社会学科)にご縁をいただき、今まで培ってきたことが生かせる観光まちづくりコースを担当し、少人数制の学生教育と研究に携わってきました。 松山には道後という観光のシンボルがありますが、大街道、銀天街、三津浜などと連携していく必要があります。また、観光に関係なさそうな業種が観光まちづくりに関わっている地域が、いま全国で元気です。例えば、インバウンド観光客に地域で滞在してもらうには、その地域らしい過ごし方を提案しなければなりません。そのために地域の文化や産業も紹介しながら、ビジネスにつなげていくのです。松山の強みは、ビジネスと観光で訪れる方が混在していることや、観光地がビジネスの中心地に近いことです。観光というしくみを他人事と思わず、多くの企業の方に参画していただき、ともに松山の観光まちづくりに携っていただければと思います。 愛媛大学で私は、まずフィールドワークを数多く行い、県内外にて学生に研究の場を与えてもらい、経験を積ませていただいています。フィールドワークは一回だけではなく、何度も通って分かるものであり、地域側の協力なくして、こうした大学教育は成り立ちません。一方、人口減少社会において地域だけでは成り立たないことも数多くあり、多種多様な人材や企業が地域と連携する必要があります。大学もその一翼を担えればと考えています。たとえば、地域の魅力や可能性が眠っていたり、地域の方が気づいていない価値もあり、フィールドワークなどを通して魅力発見や事業のお手伝いができればと考えています。松山で育った学生が県内で就職することは喜ばしいことですが、一度県外で生活し、勉強や仕事を行うことも良い経験になると思います。学生にはなるべく県外でのフィールドワークも課し、多くの知識と幅広い視点を身につけた学生を、松山のまちづくりに生かせる人財として地域に還元していくことが使命であると考えています。コラム14

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