所報11月号
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 本日、皆様のご選任を得まして、松山商工会議所の第27代会頭に就任させていただきました。企業や地域の発展を担う商工会議所の会頭という重責を、あらためて強く感じております。まずもって、議員の皆様方のご協力をよろしくお願い申しあげます。 まず、退任されます森田会頭におかれましては、力強いリーダーシップと広い知識、深い見識、そして正しく判断される胆識を持って、当会議所活動に止まらず、地域の活性化に対しまして、多大な貢献をされました。ここに、深く感謝の意を表したいと存じます。 任期中の3年間で、販路開拓やサイクリングの振興、健康経営の推進など、約40の新規事業を展開され、実効性のある企業の支援や地域の活性化につながる取り組みを進められました。また、行政や関係機関の事業にも積極的に参画され、当会議所のステータスを大いに高めていただきました。 今後とも、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申しあげます。本当にありがとうございました。 ここで、会頭就任にあたりまして、所信を述べさせていただきます。我が国の経済は、雇用環境に若干改善が見られるものの、個人消費が盛り上がりに欠け、また、円高の影響もあり、景気回復のペースは緩慢なものとなっております。日本銀行松山支店が9月に発表した金融経済概況では、県内の景気は緩やかに回復しているものの、企業の生産活動は足もと弱めの動きが一部にみられていると発表されています。当会議所の会員向けの景気調査でも、景況感はマイナス値の横ばいでの推移が続いております。 こうした経済状況に加え、少子高齢化と人口減少は確実かつ急速に進んでおります。先日、総務省が発表した国勢調査の結果によると、2015年10月1日時点の日本の総人口は2010年の調査と比べて0.8%の減となり、1920年の調査開始以来、初の減少となりました。本県もご他聞にもれず、2010年に比べて約4万6千人減少し、140万人を割り込み、松山市でも初めて減少に転じております。一方で、首都圏や愛知県、福岡県などは人口が増加しており、都市間格差が益々拡大していくのではないかと懸念しております。 松山市のビジョンによると、今後、松山市の人口は、2010年から2040年の間に7万9千人の減少が見込まれ、特に15歳から64歳の生産年齢人口は、総人口の減少数を上回る9万4千人が減少すると予測されております。当会議所が8月に実施した調査では、約3割の企業が、「人手が不足している」との結果が出ており、既に人口減少が企業経営に影響を及ぼしております。 現在、国においては、一億総活躍社会を掲げ、働き方改革を進めようとしておりますが、愛媛、松山の企業や地域が、50年、100年先に向けて、持続的に発展するためには、関係機関が連携して英知を絞り、地域の特性、文化等を踏まえた独自性のある施策を展開することで、人口減少を克服するとともに、都市間競争に勝ち抜いていくことが強く求められているところであります。 既に、人口減少に対する総合戦略が策定され、長期的な取り組みがスタートしております。こうした中で、経済界が成長のために取り組むべき課題は、女性や高齢者など、多様な人材が活躍できる仕組みづくりやIoTやAIなどを活用した第4次産業革命による生産性の向上、そして、縮小する市場を補てんするためのグローバル化やインバウンドの推進であります。 そして、総合経済団体である商工会議所には、こうした課題に取り組む企業や地域をいかに支援できるかが求められております。現在、当会議所では、社会構造の変化に対応した各種事業を展開しておりますが、一つ一つの事業の質を高めながら、企業や地域のイノベーションにつながる事業を展開して参りたいと考えております。 具体的な取り組みとしまして、一つ目は、企業に寄り添い、その成長や発展を強力にサポートすることであります。従来の金融や税務指導の支援を強化するとともに、企業の第4次産業革命を実現するためのICT利活用やグローバル化などの個別支援を拡充します。臨時議員総会佐伯新会頭就任あいさつ特集4

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