所報2月号
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この人に聞く――今期より監督として、愛媛MPに深く関わることとなりましたが・・・ 振り返れば、中日を自由契約になった後、現役を続けられる場所を探すため、トライアウトを受ける中で、最初に連絡をくれた球団が愛媛MPです。正直なところ、独立リーグでのプレーは考えていませんでしたが、交渉を重ねる中で「四国アイランドリーグで優勝するために力を貸してほしい」という言葉に気持ちが傾き、入団を決めました。選手として4年間プレーしましたが、独立リーグの環境は想像以上に過酷でした。引退後は星企画の社員として、サラリーマンを経験しましたが、それぞれの仕事に大変な苦労があると分かりました。一転、今シーズンより、監督という大役を拝命しました。いつかは指導者を務めたいという思いはありましたが、まだ先のことだと捉えていました。当然のことながら、私が監督初心者だからという甘えは通用せず、また、愛媛MPの選手には時間の余裕もありません。選手とともに私自身も成長しながら、シーズンを戦っていきたいと思います。――今シーズンのチームの運営方針は・・・ 私がなぜプロ野球選手になれたのかを考えると、小中高での経験に加え、駒沢大学での厳しい練習を経験したことです。また、プロでの現役生活を長く続けられた要因は、基本を疎かにせず、徹底的に練習したからだと思います。時代が変わっていることは理解していますが、自分の経験をもとに、選手に対しては、一足飛びに高度な練習をするのではなく、絶対にぶれてはならない部分について、徹底的に指導していきたいと思います。また、一昨年、昨シーズンとチームは連続して、四国での総合優勝に輝きましたが、残念ながら、独立リーグの大きな目的である、NPB球団への選手の輩出は叶いませんでした。野球はチーム競技ですが、プロの野球選手は個人事業主です。チームが優勝したからといって給料が大きく上がるわけではなく、あくまで、個人の成績が評価されます。選手の個々のレベルアップが重要であり、その結果、チームが優勝することが望ましいと考えています。選手には、自分自身を磨き上げることに専念してもらいますが、監督としては、NPBのスカウトの目に留めてもらうため、他の選手に負けない武器を持てるような指導を行っていきます。独立リーグの監督として選手とともに成長を――県民球団としてどのような活動を目指しますか。 愛媛MPは県民球団であり、地域の方々によって支えられているチームです。今よりも多くの方に観戦していただくとともに、我々は良いプレーを見せる必要があります。そのためには、勝利や優勝をお届けすることが第一ですが、NPBにプロ野球選手を輩出し、その選手が活躍することも、同じぐらいの価値があると考えています。四国の独立リーグがスタートして12年になりますが、NPBで活躍している選手は数名しかいません。NPBにもっと多くの選手を輩出することができれば、県民の皆様や県外からの見方も変わ県民球団としての地域貢献とは基本を疎かにしない練習と個々の武器づくり「県民球団が目指す   スポーツによる地域の活性化」〜基礎や基本を重視した育成で人財を輩出〜愛媛マンダリンパイレーツ 監督 河原 純一 氏2特集

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