所報3月号
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 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!産学連携で地域経済をパワーアップ!きぎょう発かいぎしょ経由だいがく行第51回第51回第51回 安全で快適な水素利用社会を目指して 高度な知識や新しい価値観を持ち、グローバルに活躍できる理工系人材を育成し、次世代の「科学技術」を支える研究者や技術者の輩出を目指す愛媛大学工学部。同学部において、水素社会の実現に向けた研究に携わる中原氏にお話しを伺いました。~ 愛媛大学工学部の取り組み ~│プロフィールを 教えてください。│愛媛大学での 活動については…。│今後の展開について…。 美術館での絵画鑑賞が趣味という中原氏。特に、モネやルノワール、ピカソの絵に惹かれるとか。オススメの場所はひろしま美術館。また、最近は多忙で描いていないが、絵画製作も嗜む。仕事のモットーは「少年老い易く学成り難し」。時間を無駄にせず、日々勉強しながら目の前の研究に没頭する。52歳。中原 真也 氏愛媛大学  大学院理工学研究科機械工学コース教授 出身は埼玉県川口市です。上智大学理工学部を経て、同大学院理工学研究科機械工学専攻博士前期課程を修了しました。修了後は、防衛庁で技術研究に従事し、防衛装備品、特にロケットの研究開発に携わりました。また、防衛庁の留学制度を利用して九州大学大学院工学研究科に進み、工学博士を取得しましたが、この修学をきっかけに、同大学へ助手として転職し、水素を主とした燃焼研究を精力的に進めました。その後、熱工学分野で燃焼研究を専門に扱う先生がいないことから、公募が行われていた愛媛大学に赴任することとなりました。現在は、教鞭に立ちながら水素を主な対象とした燃焼技術や水素社会に潜在化する災害予防のために必要な技術の確立を目指して、日々、研究に励んでいます。 水素をエネルギーキャリアとした社会を実現させたいと考えています。日本のエネルギー産業を考える際に、二酸化炭素を発生させない風力や太陽光等の再生可能エネルギーの利用が注目されていますが、天候に左右されるデメリットを常に抱えています。このため、発電したエネルギーを水素として貯蓄し、いつでも利用できる暮らしを四国内で可能にしたいと考えています。四国は気候や土地柄に恵まれ、自然エネルギーを生かせる地域です。企業や地域の皆様と水素等の新しいエネルギーを取り入れた、エネルギーを自活するコミュニティを共に創ってゆきたいと思います。 安全で快適な水素利用社会を実現するために、水素や天然ガス等の有効かつ効率的な燃焼、また、水素が危険な存在とならないようにするため、爆発事故の防止や被害を弱めるシステムなどを研究しています。また、燃焼の基礎データを整え、燃焼モデルを構築し、様々な機関や研究者への情報提供も行っています。その他、子ども向けの教材用に特化したハイブリッドロケットの研究も行っています。ペットボトルを利用したハイブリッドロケットを学校で実験するなど、理科離れが進む子供たちに物理などや科学技術の楽しさを知ってもらう活動に取り組んでいます。コラム14

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