所報5月号
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この人に聞く――この度、愛媛FCの社長に就任されましたが・・・ 愛媛FCとの関わりは、JFLに参入した2001年に遡ります。当時の役員の方々と親交があったほか、愛媛FCをJリーグへ昇格させたいという強い思いに賛同したことがきっかけです。その後、常務取締役に就任し、Jリーグの加盟やチーム及び経営の強化などに奔走しました。思い出深い出来事は、J2昇格をかけたHondaFC戦です。完全アウェーの中、勝てば昇格という極限状況で、格上のHondaFCに劇的な勝利を収めました。一方、悔しいはずの相手チームのファンが、愛媛FCの昇格を祝福してくれたことも忘れられません。あらためて、何が起きるか分からないサッカーの楽しさ、ファンの優しさに感動しました。本業とは別に情熱を注いできましたが、今回、社長という大役を拝命しました。社長就任の目的は、経営の改革です。愛媛FCは2期連続の赤字となっており、3期連続赤字を計上するとJリーグライセンスが剥奪されます。私は、会社経営でこうした危機を何度も乗り越えてきた経験があるため、愛媛FCの経営改革を担うこととなりました。今期の黒字化は絶対条件であり、全力で取り組んでいきます。今期の黒字化を絶対条件に――今期の運営方針は・・・「存続」「活躍」「存在意義の確立」愛媛を売るというスタイルを持つ 普通の会社とは異なり、愛媛FC――地域との関わりについては・・・ サッカー以外で地域に貢献することは難しいかもしれませんが、「愛媛」という名前がついているため、愛媛をの場合はスポーツクラブであるため、勝利という活躍を削ぎ落として黒字化を果たすことはできません。チームの「存続」と「活躍」という、一部相反するもののバランスが重要になります。選手のモチベーションを保つことが重要となりますが、私自身は、両立できるものと考えています。このため、今期は「存続」「活躍」「存在意義の確立」が大きなテーマです。存在意義に関しては、愛媛県に愛媛FCがあって良かったと県民の皆様に感じていただくことが重要です。これを短期的に獲得することが喫緊の課題でもあります。 チームに関しては、チャンスを求めている選手を集めています。また、在籍期間の長い選手にも、もう一花咲かせようと、チャンスを与えます。あわせて、間瀬監督も上昇志向が強く、前向きなキャラクターであることから、監督、選手ともにチャンスを活かしてもらいたいと思います。また、今シーズンは、意味のある「存続と活躍の両立と存在意義の確立」〜 愛媛FCとともに地域間競争を勝ち抜く 〜株式会社 愛媛FC 代表取締役社長 村上 忠 氏戦いを選手が続けてくれています。見ていても手を抜いたと感じる試合はありません。チャンスを活かすために集まった選手は、練習に限らずハードワークが必須となります。ギリギリのハードワークが人を変え、チームを変え、観客を感動させます。今は準備期間と位置付けていますが、毎試合チーム力は向上していますので、成長を楽しみに観戦していただければと思います。あわせて、フロントスタッフも一緒に戦っており、メリハリをつけてチームを支えていきます。この人に聞く2

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