所報6月号
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 今回は、石手川の中流部分となる、石手川公園の周辺を訪れました。この辺りは、太平洋戦争後にバラックが建ち並んでいましたが、現在は、公園になっています。中心市街地に近いこともあり、スポーツの活動場所など、市民の憩いの場として親しまれています。付近の石手川は、水量が少ないことから、今の時期は、雨が降らない日が続くと、他の河川では見られない「水無川」の様を呈します。 川から近いところに、伊予鉄道横河原線の石手川公園駅があり、この鉄道が走る石手川橋梁は、1892年に完成した橋長35.8mのプラットトラス橋です。橋台は煉瓦積みで、現役の鉄道橋としては、日本最古のトラス橋となり、2012年に土木学会選奨土木遺産に認定されています。また、石手川橋梁の近くには、愛媛県内最古といわれている煉瓦橋もあります。1892年の完成と考えられており、2003年、松山市の「景観形成重要建造物」、2012年に先述の土木遺産に認定されました。このほか、広島・長崎の原爆死没者慰霊碑もあり、毎年、慰霊祭・墓前祭がとり行われています。 石手川を囲む橋や碑には、歴史と人の営みが数多く刻まれているようです。第6回「石手川公園駅と石手川」石手川に架かる橋に刻まれた伝統と技術の歴史とは石手川に架かる橋に刻まれた伝統と技術の歴史とはコラム23

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