所報7月号
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 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!産学連携で地域経済をパワーアップ!きぎょう発かいぎしょ経由だいがく行第55回第55回第55回 AIを活用する社会を目指して 高度な知識や新しい価値観を持ち、グローバルに活躍できる理工系人材を育成し、次世代の「科学技術」を支える研究者や技術者の輩出を目指す愛媛大学工学部において、人工知能(AI)の研究に携わる二宮氏にお話しを伺いました。~ 愛媛大学工学部の取り組み ~│プロフィールを 教えてください。│愛媛大学での 活動については…。│今後の展開について…。 休日は息子さんとTVゲームを楽しむ二宮氏。趣味は自宅でのクラシック音楽の鑑賞で、オーディオ機器にもこだわっているとか。また、時間を見つけては読書に勤しみ、中でも哲学書を読むことで、研究に生かせる言葉・考え方を習得している。尊敬する人物は哲学者「バタイユ」。44歳二宮 崇 氏愛媛大学  工学部情報工学科      大学院理工学研究科電子情報工学専攻教授・博士(理学) 出身は松山市です。松山東高校を卒業後、東京大学理学部情報科学科を経て、同大学院理学系研究科情報科学専攻を修了しました。在学中は、人間の言語を理解できるコンピュータシステムをつくりだすため、自然言語処理の研究で世界的に著名な辻井潤一先生に師事し研究に取り組みました。修了後、辻井先生の研究プロジェクトに誘われ、科学技術振興機構で自然言語処理の研究に従事した後、東京大学情報基盤センターで講師を務めました。2010年7月より、愛媛大学大学院理工学研究科に赴任し、AIを活用する社会を目指して様々な研究を続けています。 今後、分野をまたいだ、多くのAIの研究に取り組む予定です。中でも、車の自動運転については、強化学習という機械学習の一種で、近い将来、必須になるといわれており、学生とともに研究していきたいと思っている分野です。こうした、我々の社会や生活を便利にするAIの普及は、一過性のブームで終わらせてはなりません。企業の経営においては、AIの活用により、人手不足の解消が期待できるなど、活用するメリットは大きいものと思います。AIに関するご質問等ありましたら、気軽にご相談ください。 自然言語処理の基礎研究に加え、別の言語に自動的に文章を翻訳する機械翻訳などの応用に関する研究、また、人間が行っている学習能力と同様の機能をコンピュータで実現しようとする機械学習などの研究に取り組んでいます。これらの技術は、近年、ディープラーニング(深層学習)の目覚ましい進化によって、発展を遂げている分野です。AIは、現在戦国時代を迎えており、最新技術を手に入れないと取り残されます。そのため、あらゆる手を尽くして情報収集に努めています。また、昨今のAIブームにより、企業から案件をいただくことも多くなっており、AI活用のアドバイスも行っています。コラム13

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