所報8月号
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20コラム『坂の上の雲』のまち松山『坂の上の雲』のまち松山 今号の解説板は「ロシア人墓地」です。城北地区が一望できる高台に、日露戦争時に俘虜となり、松山で亡くなったロシア兵98名が眠っています。 ロシア兵の俘虜は全国で7万人、松山には最も多い、延べ6千人が収容されました。(松山の人口は約3万人)当時の安藤知事は、俘虜が一般人から侮辱されたり危害を加えられたりしないように訓令し、俘虜将校は道後温泉の入浴が許可され、自由な外出や借家住まいも認められました。地元の商店にはロシア語の看板を掲げるところもあり、経済効果もあったようです。運動会など、市民との交流も盛んに行われました。 松山城の井戸では、実在した俘虜のロシア兵と看護師の氏名が彫られたコインが見つかりました。東温市の坊っちゃん劇場では、これを題材とした「誓いのコイン」が上演されています。何度も目頭が熱くなる舞台の素晴らしさは、言うまでもありませんが、フィクションながら、文献等に基づいた時代考証により、当時のロシア兵と松山人の想いを感じることができました。 この墓地は、現在、市民や地元中学生による清掃活動が行われ、花が絶えることはありません。本当の国際交流やおもてなしとは何かを、あらためて考える機会となりました。COLUMNコ ラ ム

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