所報11月号
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11コラムCOLUMNコ ラ ム 皆さんは、「ネットスーパー」というものをご存じだろうか。最近は、テレビでもコマーシャルが流れているので、知っている人も多いかもしれない。では、使ったことがある人はどのくらいいるのだろうか。私の知り合いは、毎週水曜日にネットスーパーから、その週に必要な物を買っている。共働きで、平日にスーパーマーケットへ買い物に行くことができないため、とても便利なのだそうだ。 ネットスーパーを運営しているのは、主に大手スーパーマーケットチェーン店や地元のスーパーマーケットである。お客さまがインターネットのホームページから商品を注文すると、即日または翌日に自宅まで届けてくれる仕組みになっている。ほとんどの店が、スーパーの店頭と同じ価格で商品を販売しており、その中にはもちろん日替わりの特売品なども含まれる。商品代金以外に、配達料や手数料などが数百円掛かる場合もあるが、一定金額以上の購入で無料になるところが多い。 店側は、ネットで注文が入ると店員がお客さまと同様に店頭で商品を集めて配送の手配をする、いわゆる昔の「ご用聞き」だ。ネットさえ利用できれば、高齢者を中心とした買い物客が持ち帰るのに苦労する、重たい物やかさばる物を自宅まで届けてくれるとても便利なシステムなのである。これは、最近大きな問題となってきている、いわゆる買物弱者と呼ばれる人々への支援策の一つとしても注目されている。 以前、私がセミナーを行った際、ネットショップへの出店を検討している参加者から、「ネットスーパーの台頭をどのように考えたら良いのか」との相談を受けたことがある。そのとき私は、「ネットスーパーとネットショップは仕組み的には似ているが、その使われ方には大きな差がある」と答えた。その大きな差とは、「日常」と「非日常」の違いである。 ネットスーパーは「日常」の延長であり、お客さまは週末に日用品を購入するのと同じ感覚で利用するため、価格や届くまでの時間に対して非常にシビアである。一方、ネットショップは通常の買い物とは違う感覚、例えば遠く離れた観光地でお土産を買うような「非日常」の感覚で利用している。そのため、購入時に掛かる送料や受け取るまでの時間などを比較的気にしない。これは、私が実際に利用したときの感想でもある。 さて、皆さんはネットスーパーとネットショップをどのように区別しているだろうか。また、すでに使っている人は、どのように使い分けているだろうか。ネット上では、今後もこうした新しいサービスが次々と出現してくるだろう。そのときに既存のサービスと比較するには、何よりまず使ってみることではないだろうか。まだ利用していない人は、ぜひ一度試してみてほしい。Yahoo! JAPAN 小澤 富士男/おざわ・ふじお 1960年生まれ。システム開発、中小企業向けのコンサルティングを経て、その後、ヤフー株式会社に入社。ネットショップ関連のシステム開発に従事するとともに、各地の商工会議所でネットビジネス計画立案セミナーを開催し、ネットショップ開設の支援を実施している。また、システムアナリスト(高度情報処理技術者)や、ビジネスプロデューサー(オープンコンサルティングプロジェクト)、ビジネスGISコーディネータ(GIS学会ビジネス分科会)、MCSC:マイクロソフト認定システムコーディネータ(マイクロソフト)の資格をもち、著書には『日本列島データマップ』(2006年版・ダイヤモンド社・共著)、『面白 日本列島-データで見る都道府県の秘密-』(ネクストパブリッシング・共著) などがある。ネットスーパーを 利用したことがありますか?ヤフー株式会社 小澤 富士男

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