所報1月号
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19コラムCOLUMNコ ラ ムYahoo! JAPAN 小澤 富士男/おざわ・ふじお 1960年生まれ。システム開発、中小企業向けのコンサルティングを経て、その後、ヤフー株式会社に入社。ネットショップ関連のシステム開発に従事するとともに、各地の商工会議所でネットビジネス計画立案セミナーを開催し、ネットショップ開設の支援を実施している。また、システムアナリスト(高度情報処理技術者)や、ビジネスプロデューサー(オープンコンサルティングプロジェクト)、ビジネスGISコーディネータ(GIS学会ビジネス分科会)、MCSC:マイクロソフト認定システムコーディネータ(マイクロソフト)の資格をもち、著書には『日本列島データマップ』(2006年版・ダイヤモンド社・共著)、『面白 日本列島-データで見る都道府県の秘密-』(ネクストパブリッシング・共著)などがある。ネットでチラシって 配れるの?ヤフー株式会社 小澤 富士男 皆さんは、「チラシ」を使って集客を行っているだろうか? これまで、「チラシ」と言えば、特売やクーポンなどのお得な情報を紙に印刷し、新聞の折り込みにしたり、ポスティングしたりして、お店の周辺地域の集客を図るものが一般的で、特定の地域にポイントを絞って集客するのに、大きな効果を挙げてきた。 では、インターネットの場合、同様の販促ツールとして、どのようなものがあるかご存じだろうか。 最近では、ホームページ上にクーポンを掲載するお店や、紙チラシをネット上でも見られるようにしているスーパーマーケットもある。ただし、これらの情報は世界に向けて発信されており、「お店の周辺地域」といったエリアを絞り込むような仕掛けではない。 しかし、ネット上にも特定の地域のお店を絞り込むことができる、紙チラシに近いサービスがある。例えば、店舗情報サイトでは、地名や駅名でお店を絞り込める機能を備えている。また、ネット上の地図表示サービスでは、地図上にお店情報を重ね合わせて掲載することができる。 これらは「この辺のお店」といった探し方ができるのである。このように地域を限定した情報発信は、まさに「ネット版チラシ」ということができる。 従来の紙チラシとネット版チラシには、大きな違いがある。一つは持続性である。紙のチラシは捨てられてしまうと二度と見られることはないが、ネット版チラシはいつでも見てもらえる。もう一つは、ネット版チラシを見るためには、パソコンやモバイル端末(携帯電話やスマートフォン)が必要だということだが、これだけモバイル端末が普及していれば、マイナス面とはならない。 モバイル端末では、今いる場所の情報が取得でき、その位置情報があれば、すぐ近くのお店を探すという使い方が簡単にできる。これにより、お店を選んでから行くスタイルから、とりあえず行ってから近くのクーポンを調べてお店を選ぶような人が増えている。紙チラシにはできない新しいサービスであり、ネット版チラシの最大の特徴といえるものである。 ネット版チラシにチャレンジして、新しい行動スタイルのお客さまを捕まえてみてはいかがだろうか。

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