所報9月号
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会頭白石省三(三浦工業株式会社 取締役会長)The winds of Matsuyama松山の私が考えるこれから 前回(4月号)で、「予測できた危機をなぜ防げなかったか?」ということで、福島第一原発事故とこれから予測される日本の財政破綻について述べさせてもらいました。 もう一度、日本の財政について、このままゆけば破綻することを前提に(仮定の問題ではなく時間の問題)破綻することが、国民にとって危機なのかどうか考えてみましょう。 今、直接、国債を保有している人、銀行に預金をして、間接的に持っている人にとっては、財政破綻は危機であり、深刻な問題でしょう。それでも、自分だけは、早く売り抜けて、被害を受けないようにできると思っている第1回「予測できた危機をなぜ防げなかったのか?」第6回「日本の未来」人がいるかも知れません。しかし、そう旨くはゆかないことを、過去の事例が示しています。 それでは、国債を持っていない人、預金も0の人、借金をしている人はどうでしょう。これから、長い年月をかけて、辛抱しながら財政再建をするより、一回財政破綻して、国の借金と金持の資産を相殺して、0から再出発した方が良いと考えているかもしれません。 そもそも、国が膨大な借金をつくったのは誰の責任なのかということです。公共工事や補助金、既得権益、手厚い社会保障等々の恩恵に預かっていない人達は、なおさらそう思っているのでないでしょうか。 しかし、海外へ資金が流れ、経済も破綻すれば、なかなか、0からの出発とはゆかないでしょう。進むも地獄、戻るも地獄であります。 さて、問題は、財政破綻を是非回避したいと思っている人と、辛抱するくらいなら、財政破綻させて、0から再出発する方が良いと思っている人と、どちらが多いかということです。あるいは、面倒くさいから成り行き任せにしようと思っている人も、いるかもしれません。 まもなく、大阪維新の会が、「維新八策」を発表します(所報を発刊する頃には出ているでしょう)。維新八策の目指すところは、日本再生であり、財政再建は必須条件でしょう。橋下代表は衆議員過半数をと訴えていますが、国民の選択はどうなるのでしょう。日本の財政破綻は本当に危機なのかコラムコラム6

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