所報6月号
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「企業防災・BCPに関する調査研究報告書」南海トラフ地震の被害を最小限に抑えるためには… 当所では、近い将来に発生が予想される南海トラフ地震の被害を最小限に抑えるため、企業防災を呼びかけてきました。まず、「まず何より顧客・従業員の人命・安全を守る。また企業として地域に危険を及ぼすような二次災害を出さない。」次に、「災害時、企業の最大の社会的責任は事業を中断させないこと。そのためのBCP(事業継続計画)を策定する。」そして、「地域コミュニティの一員として地域の防災対策に貢献する」というものです。BCP策定の有無により、災害発生時の事業継続・事業再開に大きな差が出ることが実証されています。当所では企業防災とBCPについて松山市内3地区の事例をとりまとめましたので報告します。地域防災組織と企業の連携に関する事例地域防災組織と企業の連携に関する事例〇垣生地区自主防災会連合会 〇五明地区自主防災会連合会 〇南江戸本村防災会の3地区を選定し、自主防災組織及び一部企業・事業所のヒアリング調査を行いました。垣生地区自主防災会連合会 重信川河口右岸に位置し、地区人口約11,000人、世帯数は約4,200。重信川の氾濫による浸水や瀬戸内海の高潮、南海地震による津波や液状化の被害が想定される。【企業との連携】 平成23年から「災害対応時における協力申出書」という形で、企業・団体から災害時の支援を取り付け、24年8月現在で約100件の協力を得ている。協力項目の中に「津波避難ビル」の項目を設けた。五明地区自主防災会連合会南江戸本村防災会 松山市中心街から車で20分の中山間地域。標高約300m。世帯数205、地区人口600人。河川氾濫・がけ崩れ等が想定される。【企業との連携】 地域の企業が、大規模災害発生時にその所有する施設の一部を地域住民の緊急避難施設及び応急救護所として提供することを明文化。共同の避難訓練も行っている。 松山市中心部のJR松山駅の西側に位置し、世帯数約1300、地区人口約2600人。住宅密集地があり、地震による家屋倒壊や火災の被害が想定される。【企業との連携】 地区内に設立されたグループホームと意見交換等を行っている。また消防局の許可を得て、グループホームにサイレンを取り付け、緊急時にはサイレンを鳴らし、近隣協力員が駆けつける体制を整えている。→※本調査のとりまとめは、(公財)えひめ地域政策研究センターと共同で実施しました。特集4

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