所報9月号
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当所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!第14回第14回 四国の未来を拓くCFRP 先月号はCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の第一人者である愛媛大学の黄木先生に素材の将来性についてお話をお伺いしました。今月号では、産学連携によりCFRPの製品化に成功した事例をご紹介します。│産学連携に取り組んだ きっかけは・・・~産学連携で生まれた新製品~ 当社はアミューズメント事業部にてダーツ用パーツを製造していますが、そのシャフト部分にCFRPを利用できないかと考えていました。タイミングよく愛媛県の「炭素繊維関連産業創出事業」に参画することとなり、愛媛大学との共同開発をスタートしました。 ダーツのシャフト部分は落下などで折れやすい部分です。今までは、強度はあるが高価なマグネシウム、安価だが折れやすいプラスチックの製品を展開していました。強度を保つ中で、価格を抑えることができる材料としてCFRPの利用を模索していました。CFRPといっても相当数の種類があります。開発では、今まで使われていない、強度のある長繊維のCFRPを選択しました。何度も試験を重ねて開発に至り、結果、今までは金属製で6〜7千円で販売していた製品を、同じ強度ながら3千円で販売することが可能となり、販売量も増加しました。 プラスチック金型の製作から製品製造を一貫して行っている(株)コスモ精機。同社のアミューズメント事業部は、ダーツ用パーツを製造・販売しており、その国内シェアは日本一です。同社は、産学連携により、ダーツのシャフトをCFRPで製品化しました。(当所の松山ブランド新製品コンテスト「NEXTONE」も受賞。)事業を進められた、同社の松原事業部長にその経緯をお伺いしました。(炭素繊維強化プラスチック) 愛媛大学には、多くのアドバイスや材料メーカーとのマッチングを行っていただいたため、開発はとてもスムーズに進みました。材料の選定には、メーカーの協力が不可欠です。連携により、自社だけで開発するよりも、スピーディーかつ シャフト部分の金属は削り出し加工をしていたことから、加工単価は固定されていましたが、射出成型であれば、金型を製作して流し込むため、量をつくればコストが下がります。このように、金属からの置き換え需要は結構あるのではないでしょうか。 また、愛媛大学や材料メーカーと連携できる環境も整っており、地域の企業にとって大きな可能性を秘めている素材だと思います。▲開発したダーツのシャフト【紹介事例】 今回の共同開発は、産官学連携による地元企業との数少ない成功事例です。 (株)コスモ精機様が従来から持っておられたニ-ズに対し、大学にあったノウハウが生かされ、また材料メ-カ-である東レ(株)様の協力によってスム-ズに製品化が成されました。 愛媛大学としては、今後も社会貢献を目指し、産学官連携に積極的に取り組んで参ります。皆様のご相談をお待ちしております。愛媛大学 社会連携推進機構客員教授 吉田 則彦 氏愛媛大学より(株)コスモ精機アミューズメント事業部事業部長松原 弘明 氏低コストで製品化に成功したと考えています。少しわかりにくい専門用語がたまに飛び交った以外は、特に悩ましいことはありませんでした。東温市則之内1470-10電話 089-960-6382speaker│産学連携の メリットは・・・│開発に関する経緯を 教えてください│CFRPは 四国の未来を拓きますか?コラム13

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