所報11月号
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臨時議員総会積極的に取り組まれる中で、会員や関係先の生の声を幅広く事業に反映され、当会議所事業への参画及び利用促進に努められました。また、もの申す商工会議所として、情報発信力を強め、提言活動を積極的に行われるなど、当会議所の存在感を大いに高めていただきました。今後とも、大所高所からのご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。本当にありがとうございました。 さて、失われた20年と呼ばれ低迷を続けた日本経済も、回復の兆しを見せており、東京オリンピックの開催決定は更に景気マインドを押し上げているようです。当会議所の会員に対する景況調査でも、今後の業況改善を予想する回答が多くなってきており、地域経済においても景気が回復軌道に入った感があります。しかし、現在の回復基調は、一時的な政策効果という側面が強く、持続的成長が見込めるかどうかとなると、まだまだ不透明といわざるを得ません。今後の成長戦略の展開に期待したいところですが、果たしてそれによって、日本の最重要課題であります経済再生と財政再建の2つを同時に並行して実現できるかどうか、その道筋が見えないことにまだまだ不安感を持つのは私だけではないと思います。 このような中、我々経済人は、いかなる厳しい環境におかれようとも、自らの責任において、自らの手で企業を守り、ふるさとを守っていかなければなりません。現在、世の中は、これまでにない大変革期を迎えており、変化への感度と対応力こそが、生き残りの条件といえます。今、私たちに求められておりますのは、社会経済に大きな影響を与える予測可能な構造変化をしっかりと把握し、その対応力を強化し、新しい時代においても、自立的・持続的に成長可能な地域社会を構築する取り組みなのであります。 私は、災害などの突発的なものを除きますと、予測可能な大変化が3つあると考えています。 一つ目は、少子高齢化とそれに伴う人口減少であります。愛媛県の人口は、2010年の143万人から2040年には107万人へと、36万人減少すると予測されています。過去に例のない急速な人口減少は、市場の縮小、労働力人口の減少を招き、今後の経済に大きな影響を与えることになります。 二つ目は、グローバル化であります。交通や物流のインフラが発達する中で、国際間の人とモノの流れが活発化するなど、いまや経済、金融には国境がなくなりつつあり、グローバル化は避けられない変化といえます。企業や地域は、人口減少により縮小した市場を補完するためにも、その規模や業種などに関わらず、勝ち残るための国際感覚と競争力強化が求められます。 三つ目は、情報通信技術(ICT)の急速な進展であります。スマートフォンをはじめとしたICTの浸透は、現在のコミュニケーションやビジネススタイルを大きく変えつつあります。新しい仕組みを取り入れることを怠れば、保有するスキルやノウハウがあっという間に陳腐化する時代が到来しているのであります。 このような、大きな変化は、様々な点で社会構造の流動化を進展させますが、既存の仕組み・システムが通用しなくなることは、視点を変えれば、中小企業にとって新しいビジネスを創造するチャンスが広がると捉えることもできます。 例えば、少子高齢化によりシニアマーケットは急拡大していますが、拡大ペースの加速とニーズの多様化により、新しいビジネスが数多く創造されると思います。また、インバウンドによる観光振興によって交流人口が拡大すれば、今後、大きな経済効果が期待されます。ICTの進展は、参入障壁の劇的な低下をもたらし、成長する海外電子商取引への参入機会拡大や、新しいビジネスモデル、市場の創造に繋がることが予想されます。 このような環境変化は、意思決定が早く機動力のある中小企業にとって、変化をチャンスに変える絶好の機会ではない 本日、130年を超える歴史を有します松山商工会議所の第26代会頭に就任させていただきました。地域経済をけん引する役割を担う商工会議所の会頭という大役を拝命し、あらためて、その重責に身が引き締まる思いです。 先ず、本日をもってご退任されます白石会頭におかれましては、3年間、多大なるご尽力、ご貢献をいただきましたことに、深く敬意を表したいと存じます。全会員訪問や広報活動強化など新たな活動に「変化をチャンスに!」 〜人材育成と連携強化に    より持続的な成長を〜森田会頭就任あいさつ(所信表明)▲臨時議員総会での就任のあいさつ特集4

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