所報5月号
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――プロフィールを教えてください。 専門は消化器で、肝臓病や緩和医療などに携わりました。現在は、専門医療は同僚に任せる事が多く、副院長という立場から、医療者が働きやすく、受診しやすい環境の整備を進めています。また、院内の情報化をはじめ、医師会を通じて、地域医療との連携にも従事しています。病院という場所は、優秀な方が多い反面、ストレートに実力が発揮できない環境があります。以前より、そのような状況を憂慮していたことから、病院の内外の環境整備へ積極的に取り組んでいます。――医療を取り巻く環境の変化とその対応については・・・。 人口減少社会に入り、社会が成熟する中で、医療に対するニーズも多様化しています。以前は、病気が治れば良いという考え方でしたが、今は、治療の間の生活の質など、良い環境の中で療養できることも求められています。特にがんに関しては、複雑な問題を抱えることが多い病気です。一方、高齢化社会の中で、男性では2人に1人、女性では3人に1人の割合でがんになるという統計があるほど、身近な病気になっています。また、5年生存率も6割を超えており、治る病気にもなりました。そのため、他の病気以上に、療養の質の向上が必要となっています。こういった情勢から、平成18年には、がん対策基本法が成立し、その対策が進められています。愛媛県では、平成22年、全国で7番目となるがん対策推進条例が制定されました。愛媛県の条例は、その後、他の自治体のモデルとなるような、理想的な条例となったと自負しており、制定後は取り組みが大きく進展しています。 四国がんセンターでは、まず環境の整備が必要だと考え、地域医療再生基金の事業として愛媛県に認めていただき、敷地の一角に「患者・家族総合支援センター」を設置しました。周辺業務になるため医療従事者が対応できない「 医療と企業の連携で  地域のニーズに応える 」(独)四国がんセンター    副院長 谷水 正人 氏 ~ がん患者の就労支援により企業の人材損失を防ぐ ~病院の内外の環境整備に取り組む医療ニーズの多様化と政策の対応人このに聞くこの人に聞く2

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