所報6月号
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副会頭髙橋 祐二三浦工業株式会社 代表取締役社長 日々、世界は目まぐるしく変化しています。その変化は、目に見える変化と、よく注意しておかないと捉えられない変化の2つがあります。例えば日本の人口減少や少子高齢化のように、目に見える、あるいは、誰もが気づき得る変化については問題ありませんが、バブル経済のように、その時の小さな変化には気づかず後になって大きく変化したことに気づくのでは、文字通り「後の祭り」です。 それでは、気づきにくい変化を捉えるためには何をすれば良いのでしょうか。 ドラッカーの『イノベーションと企業家精「予期せぬ成功と      失敗」「 〈三現主義〉の      実践」な提案を行うと共に、新たな商品開発のヒントを頂いたりしています。しかし、担当者だけではなく、経営者も積極的にあらゆる現場へ行きます。事業環境や市場の変化を、経営者の目線で的確に捉えなければならないからです。これは海外市場についても同じです。マスコミ報道だけを見ると海外事業のリスクが大きいように映ることがありますが、果たしてそうでしょうか。「百聞は一見に如かず」で、経営者自らが現地へ赴いて状況を確認し、経営判断を現地の人たちに任せる「現地化」を図らなければ、刻々と変わる世の中で勝ち残っていくことはできません。 つまり、「三現主義」に基づいた経営者の率先垂範力が求められる時代なのです。 また、市場の変化を捉えるために経営者として最も大切なことは、「現場」に出向いて「現物」に触れ、「現実(変化)」を知ることだと思います。いわゆる「三現主義」の実践です。弊社においては、営業担当者や技術者などが直接ユーザーを訪問して、現物を見ながらお客様が困っていることを聞き出したり、お客様自身がまだ気づいていない問題点を見つけ出して様々神』によると、変化を捉える方法として「予期せぬ成功と失敗」を利用することが挙げられています。例えば、発売した商品が意図した使い方とは異なる方法・目的で使われたり、想定外のユーザーが購入したりして売上がな予期せぬ出来事を単なる偶然として済ますのではなく、それらが発生した状況や背景を知ることにより、今まで気づかなかった市場の変化を捉えようとする方法です。「今、経営者に 求められる行動力とは」第5回伸びることがあります。一方で、従来よりも高性能にしたにもかかわらず、売上が不振となることもあります。このようコラム8

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