所報6月号
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 当所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!第22回第22回 産学連携による「まちづくり」 まちづくりは、官民がそれぞれ役割を分担し、市の将来像と民間の計画との整合性を図りながら、連携して進めていく必要があります。このような中、愛媛大学を中心とした、公・民・学の連携によるアーバンデザイン研究がスタートしました。今回は、愛媛大学の防災情報研究センターにて、その研究のリーダーを務める、松本先生にお話をお伺いしました。~公・民・学の連携によるアーバンデザイン研究~│松本先生のプロフィールを 教えてください。 出身は西予市です。昭和47年に松山市役所へ入庁、道路や河川など、公共工事の設計監督などに従事しました。平成15年に大きな転機を迎え、当時の中村市長が掲げていた『坂の上の雲』のまちづくりの推進役として声がかかり、手探りの中で、まちづくりを進めました。退職後は、坂の上の雲ミュージアムの副館長という立場で、まちづくりに側面的に関わってきました。ご承知の通り、『坂の上の雲』のまちづくりは、フィールドミュージアム構想のもと、市民との協働により地域資源を掘り起こし、磨き上げ活用し物語のあるまちづくりを進めることで、まちの魅力を高めていこうというものです。『坂の上の雲』というパッケージに様々な事業を盛り込み、国のまちづくり交付金事業を活用できたことが、まちの整備を大きく前進させることにつながったと思っています。 アーバンデザインセンターは、社会構造が大きく変化し、地域の課題が複雑化する中で、行政、市民、企業、│アーバンデザイン センターとは・・・。大学が一体となって、公・民・学連携によるまちづくりを進めるため、愛媛大学に設置された機関です。特徴は、大学というシンクタンクが連携の軸にあることです。今までの行政における大学の活用は、ややもすれば審議会や協議会で承認を得るための限定的なものが多かったように思います。今回は、連携の軸が大学にあることで、知識や経験、研究成果の活用など、シンクタンクとしての機能を主体的に発揮することができると考えています。さらに、学生など若い人をまちづくりに巻き込むことができる機会が増えるほか、次世代の担い手を育てる人づくりも効果的に進めることができると考えています。具体的な事業はこれから進めていきますが、まちづくりの中核を担うような機関を目指していきたいと考えています。 松山では、外環状線にはじまり、JR松山駅前、道後温泉本館、ラフォーレ跡地など、様々な事業が大きく動き出しています。まちの中でも更新の動きが活発になっており、松山のまちづくりにおいて、大きな節目を迎えています。現在は、松山市も中核都市としての吸引力があり、目立って疲弊しているわけではありませんが、今後、超少子高齢化が進展する中で、厳しい局面を迎える時期が来ると予測され、産業経済の活性化のためには住民に選択される松山でなければなりません。交流人口、定住人口を増やしていくには、今まで以上に、まちの魅力を高めていく取り組みが重要になります。様々な取り組みが活発になる中で、公・民・学の連携を強化し、人口構造や住民ニーズにあった、新しい時代のまちづくりを考えていく必要があると思います。│今後のまちづくりの 目指す方向は・・・。愛媛大学防災情報研究センター アーバンデザイン研究部門教授松本 啓治 氏  趣味は釣り。太刀魚・たこ・はまち・グレなどあらゆる魚を狙うとか。座右の銘は「為せば成る為さねば成らぬ何事も成らぬは人の為さぬなりけり」(上杉鷹山)コラム13

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