所報10月号
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 当所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!第26回第26回 えひめの海から水産イノベーションの創出をPart3 先月号に引き続き、愛媛大学をはじめとした産学官金の各機関が連携して行っている、地域の状況に即した流通システムの開発や水産業の6次産業化を目指した研究についてご紹介します。~新流通システムの開発による水産業の6次産業化~○新たな国内水産物流通の在り方の検討  新しい水産物流通の動きを分析しながら、生産・加工・流通・消費をトータルで捉え、関係者にとってメ リットがあり、利益を得られる、国産水産物流通戦略を考察。○養殖ブリ・マダイの輸出戦略の検討  経済成長が見込まれる東アジア市場を中心に、現地の水産物消費状況や販売状況、現在EUやアメリカ を中心に形成されつつある水産物貿易のグローバルスタンダード化などを把握しながら、輸出体制構築 の在り方を考察。○水産業における既存のビジネスモデルの検討  各専門業者によって分業関係が構築されている既存のビジネスモデル、生産者を中心とした6次産業 化や農商工連携の取組を検討し、新たなビジネスモデルの可能性を考察。研究内容(1)流通システム等の抜本的改革による新たな水産ビジネスモデル構築に関する研究研究者:愛媛大学 南予水産研究センター 助教授 天野 通子 氏 平成25年度には、6次産業化を担う知識を習得し、地域に根差した人材を養成するため漁業者、水産関連企業、金融機関、自治体職員等の社会人を対象にした「愛媛大学水産イノベーションスキル修得講座」を開講し、受講者は、社会人を対象に一般公募し、27名を選定。 講座の内容は、リーダー育成、地域振興、海洋、水産生物、資源管理、食品加工、商品開発、流通経済など水産の広い分野から6次産業化に向けた講義内容とし、研究者だけでなく、実務、実業的な講話ができる講師陣を配した。年間126時間の履修科目を5月から翌年3月までの間、毎月1回、2日間(連続した土・日)の日程で、年間11回開催し、一定の要件を満たし宇和海地域の活性化に貢献する6次産業を担う人材として「愛媛大学水産イノベーター」19人を輩出。平成25年度の「水産イノベーションスキル修得講座」の実施内容は、延22日間×4コマ/日の88コマの講座を実施。平成26年度は25人の受講生が「水産イノベーションスキル修得講座」を受講している。○水産物産地流通加工企業による養殖ブリ輸出  本研究では、これまでに愛媛県、鹿児島県、大分県の水産物産地流通加工企業の輸出動向を調査。輸出 拡大には、国内の輸出向け流通ルートづくりが重要である。養殖ブリの販売先は、主に高級店や中高級店 に位置づけられる日本食レストランとなっている。ブリは、香港やバンコクでは日本食以外の利用がな いため、現地の人が日本食以外の調理法でブリを利用できるように、働きかけていくことが必要。(2)水産業6次産業化人材育成講座の開催研究者:愛媛大学 南予水産研究センター 客員教授 鶴見 武道 氏研究成果講座の成果人材育成講座の実施1221コラム13

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