所報3月号
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地域開発委員長 原田 雅仁(四国電力(株) 常務執行役員松山支店長)変化を仕掛けよう行動を起こそう「新幹線誘致は『夢』なのか」第13回 今年は年明け早々から、松山への新幹線誘致の話を聞く機会が多い。新年に相応しい「夢」のある話題であるが、意外なことに市民の多くが「どうせ来やせんぞな」「来たとしても何時の話かいな」「来ても本州に(客を)取られるだけよ」などと冷めた目で見ている。また、地元メディアの本件に対する関心も低いように思われる。松山は気候が温暖で災害も少なく、作物の良く育つ豊かな土地柄であるため、市民に守勢を第一とし、変化を好まない気風が根付いているのだろうか。 私は表題の「社会の変化を捉える」という受け身の姿勢ではなく、此方から仕掛けて「社会に変化を起こす」位の気概が無くては駄目だと思っており、今こそ政・官・民が一体となって「夢」ではなく「現実」の問題として、新幹線誘致の機運を盛り上げていく必要があると考えている。これを基盤としなければ、如何なる地域開発論も色あせて見えよう。さらに将来の道州制を見据えた場合、州都の機能として、それが不可欠なものになろうことは言うまでもない。 私の所属する地域開発委員会では、一昨年、熊本市と鹿児島市を訪問し「九州新幹線(鹿児島線)の全線開通後、地域にどのような変化が起こり、それを受けて、官民はどのような街づくりに取り組んだか」について事例研究を行った。街の再開発に関する先進的な取り組み事例や今後の課題等については、資料を持ち帰ったので、夫々のお立場で参考にして頂ければ幸いであるが、私が得た知見を一つだけご披露すると、博多〜鹿児島中央間(約290キロメートル)が約1時間25分、これに対し、ほぼ同距離である高松〜宇和島間が約4時間10分という事実である。今後、あらゆる分野で地域間競争が激化すると思われるが、これでは勝負にならない。 もはや議論は必要ない。愛媛、松山が四国の雄県、雄都でありたいと思うなら、皆が声を大にして、新幹線への「熱い思い」を中央に向かって発信しよう。の会会社社変化を 捉 え るコラム6

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