所報1月号
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新春座談会新春座談会株式会社伊予銀行取締役相談役会頭森田 浩治伊予鉄道株式会社代表取締役会長副会頭佐伯 要新春座談会ためには、時代のニーズに合わせた経営に取り組むほか、積極的な需要の開拓が求められます。あわせて、持続可能なまちづくりも進めていく必要があります。関  社会構造の変化に対応するためには、価値観の多様化が求められます。女性の活躍推進による経営力の向上や労働力の確保は大きなテーマです。また、生産性の向上をはじめ新ビジネスの創出や販路拡大に対し、進展するICTを利活用することも重要です。行政や大学等と連携することにより、こうした取り組みを、より効果的に進めていかなくてはなりません。髙橋  TPPの大筋合意により、日本のグローバル化は一気に加速するものと思われます。海外市場の獲得が課題となる企業においては、大きなチャンスと捉えることもできます。また、首都圏の景気が回復する中で、人口の流出が加速していることから、UIJターンなどを促進し、優秀な人材を確保するための取り組みも進めなくてはなりません。―こうした中で、 商工会議所の役割とは…森田  現在、当会議所では、中期行動計画のスローガンに「変化をチャンスに!」を掲げ、人口減少・少子高齢化、グローバル化、ICTの進展といった社会構造の変化に対応し、企業や地域が自律的かつ持続的に発展するための取り組みを応援する諸施策を展開しています。本年は、国や地方自治体の地方創生の実現に向けた各種政策に歩調を合わせ、役割分担をしながら、より積極的な事業を行っていかなければなりません。具体的には、まず、今後、本格化する人口減少を見据え、深刻な労働力不足などに対応するため、女性の活躍推進、UIJターンへの取り組みが重要となります。企業におけるワークライフバランスの推進を啓発するとともに、女性活躍推進に取り組む企業の体制づくりを支援するほか、地域の企業が首都圏等の優秀な人材を確保できるための事業を展開したいと考えています。 次に、企業支援では、昨年、国の認定を受けた経営発達支援計画をもとに、それぞれの企業に寄り添い、その課題を解決するための伴走型支援を拡充します。また、重点分野として、販路拡大に関するサポートについて、製品や商品・サービスの発掘から、企業間のマッチングまで、幅広く取り組んでいきたいと考えています。さらに、海外展開など企業のグローバル化をはじめ、ICTを活用した生産性の向上や新ビジネスの創造に関する支援強化も重要になります。 また、地域の活性化については、インバウンドも含め、交流人口の拡大が課題です。増加する訪日外国人観光客を愛媛・松山に取り込むため、サイクリングや広域連携によるルートづくりなどのほか、松山市を訪れた方に満足していただけるソフト・ハード両面の環境整備を推進する必要があります。さらに、昨年、好成績を収めた地域プロスポーツとの連携や国体開催を見据えた取り組みなど、地域を盛り上げる活動に経済界としても積極的に関与していきたいと思います。―交流人口の拡大については…佐伯  日本を訪れる外国人は2000万人の大台に迫る中、観光庁の統計によると、愛媛県における、今 年1月から9月までの訪日宿泊客は約7万人となり7割増となっています。しかしながら、香川県の約15万人からは大きく水をあけられているほか全国に占める四国の割合は1%以下となっており、地域別で最も低い水準です。受け入れ環境の整備促進が重要となるため、当会議所としては、行政とも連携し、グローバルな情報発信を強化するとともに、会員企業に対し、Free Wi-Fiの設置のほかメニューの多言語化やおもてなし向上などに関するノウハウの提供などを重点的に展開します。新春座談会3

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