所報5月号
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道後温泉とともに 古の書に名を刻む    松山伊予三山 今回のコラムは、道後平野の中央部に位置する「天山三山」です。三山は、「星岡山(74m)」・「天山(51m)」・「土亀山(50m)」で、いずれも標高100mに満たない小山ですが、気軽に登山気分を味わうことができます。 周辺は、旧石器時代から人が生活していたことを示す遺跡が発掘されており、土器や鉄剣・銅鏡など、多くの出土品が見つかっています。風土記」にも同じ記載があり、今となっては、どちらが先に作成されたか、知り得ることはできません。 現在は、住宅街の一角に登山口があり、108の石段を登ると、天山神社が鎮座する山頂付近に至ります。伝承を伝える碑なども建てられており、天から降ってきた山に登れば、歴史の扉を少しだけ開くことができます。 三山のなかでも、多くの伝承が残るのが天山です。713年、政府は各地の土地の状況、産物などをまとめて提出するように命じました。この指令により各地で作成されたのが「風土記」です。「伊予国風土記」は、残念ながら散逸していますが、仙覚の「万葉集抄」などの書物に転載され、今に伝えられています。その中には、「天より山が落ちてきて、大和国(奈良県)・天の香具山と、伊予・天山の二つに分かれた」と記されています。「大和国第5回「天山三山」コラム22

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