所報1月号
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 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!産学連携で地域経済をパワーアップ!きぎょう発かいぎしょ経由だいがく行No.49No.49地域産品のブランド化~ 愛媛大学法文学部人文社会学科の取り組み ~ 幅広い教養と深い専門性の上に実践的な能力をも兼ね備えたグローバル人材の養成を目的に設置されている愛媛大学法文学部人文社会学科。同学部において、地域づくりや食に関する社会問題の研究に携わる野崎氏にお話しを伺いました。│プロフィールを 教えてください。│これまでの 活動については…。│今後の展開について…。 趣味は料理という野崎氏。学生と一緒に肉のドライエンジングやスモークなど加工食品も作る。田んぼで米を育てるほか、カツオをさばいて藁焼きのタタキを作るなど、趣味の料理は多岐にわたる。大切にしている言葉は「生産者と消費者の敬意の循環」。食べ物の背景にしっかり目を向けることで、新たな味の発見がある。46歳。野崎 賢也氏愛媛大学・法文学部人文社会学科 准教授・地域創成研究センター ・南予水産研究センター 兼任 生まれは高知県の香南市です。京都大学文学部哲学科に進み、同大学院の文学研究科で社会学を専攻しました。その後、日本学術振興会で特別研究員を3年間務め、2002年に愛媛大学に赴任しました。学生時代から、日本各地の農村、山村、漁村などでフィールドワークを重ね、特に高知の四万十川流域の地域づくりに積極的に関わってきました。全国から注目を集める道の駅「四万十とおわ」を運営し、地域の新しい観光産業を発信する(株)四万十ドラマの立ち上げに協力するなど、現場に密着した活動を行ってきました。こうした中で、農産物や水産物など、本当に良い物の価値がまだまだ消費者に伝わっていないと感じています。私の研究から、情報を正しく伝える方策が確立し、実際の消費につながればと考えています。 愛媛には、住民が気づいてない、そして全国に知られていない地域の持つ価値、魅力がたくさんあります。地元の方が地元の価値をまず知ることはとても大切です。また、食材は、生産者側の論理だけでなく、消費者側の価値観の変化も重要です。今まで経験してきたことを踏まえ、消費者の価値観や、料理人が扱いたいと思うような食材の提供など、行政とは違う視点で「地域産品のブランド化」に取り組みたいと考えています。もっと地域に愛される価値があるものを知ってもらうためのイベントを企画し、地元の人に愛される食べ物を提供するとともに、地域の方々と一体となって産品を利用したまちづくりに取り組みたいと思います。 愛媛大学に赴任した際には、松山市の「まちづくり協議会」制度の立ち上げに参画しました。モデル地区のアドバイザーも務めましたが、協議会の制度化、条例づくり、モデル地区における地域の将来計画づくりなど、推進から発展まで、密接に関わりました。松山市は、規模の小さい農山村エリアと久米地区のような大規模人口のエリアが混在しており、バラエティに富む中で、全市的に協議会方式が導入されたことは、先進的であったのではないでしょうか。その後、愛南町での「ぎょしょく教育」、宇和島市(旧津島町)御槇地区の愛媛県の元気な集落づくり事業など、少子高齢化の中でいかに集落づくりを行うか、地域住民の方々と議論を重ね、将来ビジョンを策定し、国の補助金を利用して計画を実現させました。こうした活動には、学生も参加し、貴重なフィールドワークとして経験を積みました。コラム19

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