所報4月号
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 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!産学連携で地域経済をパワーアップ!きぎょう発かいぎしょ経由だいがく行第52回第52回第52回 光分析化学を活用した地域貢献 高度な知識や新しい価値観を持ち、グローバルに活躍できる理工系人材を育成し、次世代の「科学技術」を支える研究者や技術者の輩出を目指す愛媛大学工学部において、光を使用した分析化学やナノ粒子の研究に携わる朝日氏にお話しを伺いました。~ 愛媛大学工学部の取り組み ~│プロフィールを 教えてください。│愛媛大学での 活動については…。│今後の展開について…。 趣味はDIY、靴箱やローボード等を製作。現在は多忙だが時間ができれば、趣味に没頭したいとのこと。大切にしている言葉は「経験が力」。多くの失敗をして得た経験を礎に、研究に励む。53歳。朝日 剛 氏愛媛大学  工学部応用化学科      大学院理工学研究科物質生命工学専攻教授・博士(工学) 出身は岐阜県美濃加茂市です。大阪大学基礎工学部を経て、同大学院基礎工学研究科化学系化学専攻博士前期課程を修了しました。その後は、1000分の1ミリという細胞レベルの大きさで化学反応を起こし、制御するといった国のプロジェクトの研究員として従事しました。その時のプロジェクトのリーダーであった教授に誘われ、大阪大学工学部応用物理学科の助手となり、助教授、准教授とキャリアを積み、2010年4月より、愛媛大学大学院理工学研究科に教授として赴任しました。教鞭に立ちながら、物質に光を照射することによって起こる新しい物理化学現象に着目し、他分野への展開を目標に研究を進めています。 光(レーザー)を使った分析化学やナノ粒子を使って、何か面白いことができないかという思いはこれからも持ち続けて研究したいと思っています。一方で、自身の研究を追求するだけでなく企業などの役に立つような仕事も始めていきたいと思っています。ニーズに合わせた応用研究は、本当のところ容易ではありません。企業の抱えている問題と、大学の研究内容に大きな乖離があることが一般的です。自身の得意分野は光化学や分光分析化学ですが、化学・材料に関する知識と光計測・分析に関する知識はそれなりに持っております。そのため、専門分野は気にせず、製造や品質管理などに関連した企業からのご相談をお待ちしております。 新規ナノ材料として注目されているナノ粒子にターゲットを絞り、レーザー光を使った全く新しい有機ナノ粒子の作製技術の開発と材料応用に携るほか、「単一ナノ粒子分光」という独自のアプローチで、光とナノ粒子が作り出す光学特性等の研究を行っています。これらはいずれも基礎研究という観点で進めており、役に立つかどうかは二の次で、何か面白いこと・新しいことを見つけたいという気持ちで進めています。どんな研究にも目的があって、狙い通りの結果にならないことの方が多いです。研究室の学生には、専門的な知識や技術の習得はもちろんですが、うまくいかない実験を通して失敗を経験し、それを克服するためには、論理的に筋道を立てた実験と結果の考察、が重要であることを学んでほしいと思っています。コラム14

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