所報7月号
25/28

 今回のコラムは、重信川と石手川が合流する「出合い橋」の周辺を巡ります。この地点で二つの川が出合い、石手川は約27.9kmの終着点となります。ここには、明治40年に出合橋(木橋)が架かり、現在は、二つの橋があります。橋が架かる前は、渡舟で往来していました。「若鮎の二手になりて上りけり」、渡舟の中で、正岡子規が詠んだ句で、その句碑が近くに建立されています。現在の伊予郡松前町の武市幡松を訪ねた際のものといわれています。また、出合橋周辺は河川敷が広く、「出合床止」という低い堰があり、夏になると水遊びもできます。また、秋になると、「いも炊き」が開催されます。河川敷に会場が設けられ、里芋や今出港で獲れたタコなど12種類の食材を使用した、松山の伝統の食文化である「いも炊き」を囲み、多くの市民が食とお酒を楽しみます。ステージも設けられ、松山の秋の夜長の風物詩となっています。 一方、出合大橋付近には、「多自然型川づくり工法」で護岸が施されており、コンクリート護岸に比べ、多様な生き物の棲家となっています。特に、この出合い橋から河口までは、野鳥の宝庫とも言われており、全国から野鳥を観察する方が訪れています。 川の合流地点は、水だけではなく、歴史と文化、人と生き物が交じり合う場所にもなっています。第7回「重信川と石手川の出合い」二つの川が合流し歴史と文化人と生き物が交じる場所二つの川が合流し歴史と文化人と生き物が交じる場所コラム23

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る