所報8月号
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 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。 愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大学発のホットな情報を提供します。 ぜひ、ご一読ください!産学連携で地域経済をパワーアップ!産学連携で地域経済をパワーアップ!きぎょう発かいぎしょ経由だいがく行第56回第56回第56回 農学専門家集団の構築を目指して 地域的な視点と国際的な視野から食料、生命、環境に関する様々な問題を解決し、自然と共生する持続可能な社会の構築に貢献できる人材の育成を目指す愛媛大学農学研究科において、植物が持つ有機化合物(リグナン)の研究に携わる山内氏にお話しを伺いました。~ 愛媛大学農学研究科の取り組み ~│プロフィールを 教えてください。│研究内容については…。│今後の展開について…。 趣味は博物学。幼少期から昆虫や植物採集を続けており、現在も時間を見つけては近場の山へ出かけている。特に好きな昆虫は、最も多い種類が存在している「ゾウムシ」だとか。「始めたことは必死に一生かかってでもやる」というぶれない気持ちを持つことを大切にしている。54歳。山内 聡氏愛媛大学  大学院農学研究科副研究科長      大学院農学研究科生命機能学専攻 教育研究評議会評議員教授・博士(農学) 出身は福岡県福岡市です。芸能人のタモリと同じ福岡県立筑紫丘高校を卒業後、九州大学農学部農芸化学科に進学し、大学院の農学研究科農学化学専攻にて博士課程を修了しました。一貫して、有機化合物の製法や構造、用途等を研究しており、1992年に愛媛大学に助手として赴任した後、1993年から1995年までは、ヴァージニア大学に留学しました。帰国してからは、愛媛大学で助教授、教授とキャリアを積みました。研究だけではなく、農学研究科の副研究科長や教育研究評議会評議員も拝命し、こうした活動にも積極的に取り組んでいます。 農学部では、大学院生を育てるカリキュラムを構築しており、今後、県内に多くの卒業生を輩出し、農学に関わる専門家集団をつくりたいと考えています。地域活性化を成し遂げるためには、様々な変化に対応できる組織を県内に構築する必要があると思います。また、農政経済という分野があるように、理系に限らず文系の学生も含め、修士課程、または、博士課程を修了した専門家を地域に輩出していきますので、企業や行政機関は受け入れ態勢を増やしていただき、共に地域の発展を目指して活動していきたいと思います。 「リグナン」という植物に含まれている化合物群の研究に取り組んでいます。化合物を合成して、リグナンがどのような作用をもたらしているか調べ、何に活用できるかを構築して提供することを研究目標にしています。特に、愛媛大学農学研究科の特徴でもある、他の研究室との連携により成果を上げています。例えば、私が生成した化合物を、隣の研究室で「ハエ」の殺虫作用に効果がないか研究したり、植物の病気(カビ)に対してどのように作用するか調べたりしています。さらに、抗アレルギー剤に有効なものや、脂肪細胞を抑制する効果があるリグナンを発見しました。また、ハマチの血合い肉の変色を防ぐ効果がある物質を研究して特許を取得しました。このほか、多様な機関との共同研究も行っています。コラム13

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