所報9月号
24/28

サムライコラム:経営課題を斬る! 当会議所では、専門分野で活躍する士業の方々が集い、地域社会への貢献や相互の能力向上を目的に、「サムライ交流会」を設置し、相談会やセミナー、勉強会等の活動を行っています。サムライ交流会に所属する専門家から、企業の経営課題と解決策を考えるコラムを連載します。 「主婦が発明で大儲け!」といった近年のテレビ番組の影響により、世間では、特許、意匠を取得したら、どこからかお金が入ってくる、という誤った認識が広まっている感もあります。しかし、特許権や意匠権を取得し、維持するためには多額の費用が必要であり、取得した特許権等を有効に活用できなければ、いわゆる「特許貧乏」になってしまいます。このような誤解をされている経営者は少なく、特許、意匠、商標等の知的財産は、あくまでも、広告宣伝、資金調達、コンプライアンス活動、ISO認証取得等と同じ経営の道具の一つに過ぎない、と理解されています。 知的財産は、本業である事業の利益を増やしたり、事業を守ったりするために、費用対効果を考慮しながら利用すべきものです。コストを考えれば、知的財産は利用しないという経営判断も当然に選択肢としてあり、多くの小規模零細事業者は、知的財産とは無縁に事業経営をされているケースが多いと思われます。 ただし、近年のインターネットの普及により、このような知的財産、特に、商標と無縁に事業を継続することが困難な状況になっており、特に、飲食店業界ではその傾向が強くなっています。これは、インターネット上でのSNS、食べログ等の口コミサイトの普及やgoogle等の検索エンジンの発達により、自分の店舗のホームページを持っていないとしても、店舗名「企業経営と知的財産」第11回サムライ交流会・専門家派遣のご相談は当会議所 経営支援部TEL:089-941-4111相原特許事務所所長 相原 正(弁理士)称がインターネット上で容易に検索可能となり、商標権者による侵害者の発見が極めて容易になっているからです。 したがって、これまで知的財産と無縁に事業をされてきた経営者の方々も、今一度、自社の商品名、会社名等のブランドを棚卸しして、他社の権利状況等についても把握される作業を進められてはいかがでしょうか。コラム22

元のページ  ../index.html#24

このブックを見る