所報10月号
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サムライコラム:経営課題を斬る! 当会議所では、専門分野で活躍する士業の方々が集い、地域社会への貢献や相互の能力向上を目的に、「サムライ交流会」を設置し、相談会やセミナー、勉強会等の活動を行っています。サムライ交流会に所属する専門家から、企業の経営課題と解決策を考えるコラムを連載します。 一般に相続の対策と呼ばれるものは、①分ける対策(分割の対策)②下げる対策(相続税の節税対策)③納める対策(納税資金対策)の3つです。しかし、経営者にはもう一つ、大切な対策があります。それは、続ける対策(事業承継)です。 自分が必死に築き守ってきた事業を、自分の大切な人や信頼できる人に承継したい、と思うのは人間として当然の心情でしょう。しかし、「分かってはいるけどまだ手をつけていない」「考えるのはもう少し先でもいい」という方も少なくないのが現状のようです。 相続対策のスタートは、「現状把握」と「ゴールの設定」です。現状把握=現在の位置が分かっていなければ、地図やコンパスがあっても目的地にはたどり着けませんし、ゴールの設定=目的地がなければ、ただ徒に大海原をさまようことになります。例えば、事業をしていても、個人事業と法人、生前承継と相続後承継、承継相手が親族か第三者かによって取るべき対策は全く変わってきます。 相続の対策は、時間があればあるほど、打てる対策が増えていくため、早すぎるということはありません。思い立ったが吉日、事業を承継する方もしていく方も、今後のあり方を考えてみてはいかがでしょうか。「経営者と相続」第12回サムライ交流会・専門家派遣のご相談は当会議所 経営支援部TEL089-941-4111井上直輝税理士事務所代表 井上 直輝(税理士)とくに好調好調まあまあ不振きわめて不振建設製造卸売小売サービス四国全国四国全国前年同月比先行き見通し早期景気観測システム早期景気観測システム商工会議所LOBO調査※Dl=(増加・好転などの回答割合)-(減少・悪化などの回答割合)   業況・採算:(好転)-(悪化) 売上:(増加)-(減少)▲ 26.3▲ 10.3▲ 7.1▲ 17.23.8▲ 14.2▲ 6.9▲ 17.0▲ 36.3▲ 17.2▲ 30.0▲ 16.7▲ 28.6▲ 24.1▲ 7.7▲ 10.1▲ 7.2▲ 19.4▲ 32.5▲ 14.8全国の概況ブロック別概況・四国  8月の全産業合計の業況DIは、▲18.2と、前月から▲2.1ポイントの悪化。関東を中心とした記録的な長雨に伴う客足の減少や、農産物の不安定な出荷から、サービス業や卸売業、小売業の業況感が押し下げられた。また、人手不足の影響拡大や消費者の節約志向を指摘する声も多い。他方、電子部品、自動車関連の生産や、夏休みのインバウンド需要が好調に推移したほか、建設・設備投資の堅調な動きも続いている。中小企業の景況感は総じてみれば緩やかな回復基調が続くものの、足踏み状況となっている。 先行きについては、先行き見通しDIが▲16.4(今月比+1.8ポイント)と改善を見込むものの、「悪化」から「不変」への変化が主因であり、実体はほぼ横ばい。輸出や設備投資の堅調な推移、インバウンドを含む観光需要の拡大に加え、公共工事の増加などへの期待感が伺える。他方、深刻な人手不足の影響拡大や、消費者の節約志向、運送費・原材料費の上昇、地政学的リスクなどを懸念する声が多く、中小企業においては先行きへの慎重な見方も続く。 ○全産業の業況DIは、前月と比べ改善。産業別にみると、卸売業で悪化、その他の4業種で改善した。各業種から寄せられたコメントは以下のとおり。○「外国人の宿泊客数が伸び、売上は改善した。しかし、原材料の農水産物価格が上昇し、利益率が低下しているため、今後も上昇するのであれば、販売価格への転嫁を検討せねばならない」(宿泊業)、「月毎の変動はあるものの、設備投資需要が堅調なため、売上は改善傾■平成29年8月調査結果 向にある。だが、人手不足を外注で補っているため、採算は悪化した」(産業用機械製造業)、「夏物衣料の販売が振るわなかったことに加え、人件費や運送費の上昇が足かせとなり、採算も悪化した」(衣料品卸売業)○業況の先行き見通しDIは、全産業では今月と比べ改善の見込み。産業別にみると、製造業で悪化、小売業でほぼ横ばい、その他の3業種で改善の見込み。業況DIは、足踏み。先行きは慎重な見方残るも、緩やかな回復を見込むコラム20

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