所報10月号
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 今回は、城北地区の遍路道沿いに流れる「大川」です。御幸寺山から鴨川地区を抜け、和気町を通り、堀江湾へと流れています。河口で久万川や太山寺川と合流することから、海からの逆流を防ぐための水門が設けられています。 川沿いには、四国八十八箇所霊場第53番札所「円明寺」や、伊予十三佛霊場第11番「高音寺」など、寺社仏閣が点在しています。円明寺は、大正13年3月にアメリカ人巡礼者のスタール博士が発見した、四国霊場最古の銅板納札が保存されており、現存最古の銅板製といわれています。また、西側には、江戸時代初期に造られたマリア像を刻んだキリシタン灯篭があります。正面に彫られたマリア像は観音像に似せられているほか、十字架の左右を極端に短くし、火袋を乗せるとまったく判らないように造られています。これは弾圧を受けた隠れキリシタンが、遍路の姿を借りて、密かに拝礼するために工夫したものといわれています。 また、鎌倉時代末期から南北朝時代に始まったとされる伊予十三佛信仰の霊場である「高音寺」は、境内にカラオケ狸が迎えるユニークなお寺です。 川が道をつくり、そこに人は歴史を刻みます。川は時代の流れを見ることもできます。第10回「和気町2丁目 大川 河口」遍路道沿いに流れる川が道をつくり人は歴史を刻む遍路道沿いに流れる川が道をつくり人は歴史を刻むコラム24

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