所報6月号
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お菓子を通してお客様に笑顔と憩いを地域の「人」を第一に考える洋品店 清水製菓舗は、せんべいの製造・販売業からスタート。当時、看板商品のクラッカーを多くの人が買い求めた。その後、時代の変化に合わせて卸小売業に特化するものの、大手スーパーやコンビニの参入によって経営環境は悪化。そのため、すきま産業に着目し、小ロット注文など、お客様の細やかな要望に応えられる態勢を構築し、事業を続けている。代表の俊一氏は、「これからは流行を先読みすることが難しい時代。だからこそ、とにかくアンテナを立てて世の中の動きを敏感に察知し、商売の形も変えていく必要がある」と語る。 近年は、保育園や施設に入所している子どもにお菓子を届ける活動も行っており、子どもたちの喜んでいる姿がやりがいにつながっている。また、同店は、地域の憩いの場にもなっている。以前、俊一氏の母が、そろばんを弾きながら、買い物に来た主婦や学生と他愛もない会話をしていることがお馴染みの光景だったとか。会話が弾み、お客様の中には「また話がしたいから」と来店する方もいたほど。俊一氏は、母の遺志を継ぎ、お客様との対面でのコミュニケーションを大切にしている。地域コミュニティが希薄になりつつある現代において、憩いの場になるような努力を絶やさない。 清水製菓舗は、今後も、お客様に笑顔になってもらえるような、商いを続けていく。 大正初期、まだ手縫いが主流だった時代に、永井サカエ氏はミシンを習い、平井商店街に「永井仕立屋」を開業した。当時は粗悪品が多く出回っていたため、個人の体型にぴったり合う仕立てはとても喜ばれた。その後、二代目の保則氏、逸美氏の時代は、仕立てを続けながら、マフラーや帽子、巾着などの小物や、ライフスタイルの変化にあわせた既製品の取り扱いを拡充し、事業を続けてきた。 昭和50年頃までは近隣からの来客も多かったが、その後、大型店の進出により客足が伸び悩んだ。そこで、商店だからこそできることを考え、手押し車でしか買い物に出かけられない高齢者に、帽子から肌着、洋服、靴下、靴までのトータルコーディネートを提案している。こうした、父母のもとで仕入・販売のノウハウを学んだ現代表の基子氏。流行の柄や素材などの情報をいち早く取り入れ、近年需要の高い、大きめサイズの服を店頭に並べている。また、小野小学校・中学校の制服や体操着も取り扱い、新入生百数十人分の採寸、発注、補正を手掛ける。コロナ禍においては、代表の姉の啓子氏が、得意の洋裁を活かして、手作りマスクを販売。地元の住民から重宝されたとか。 これからも、創業時から変わらない「お客様の喜びを第一に」をモットーに、地元に密着した経営を続けていく。明治45年創業メッセージ大正10年創業メッセージ事業所概要代表者:所在地:TEL:清水 俊一松山市湊町6-2-3089-921-3569事業所概要代表者:所在地:TEL:永井 基子松山市平井町3731089-975-0784地域の方々のおかげで110周年を迎えることができました。心より地域の皆様に感謝です。ありがとうございます。一人ひとり違う好み・姿・かたちを思い、着る人の立場から考えた仕入れを心掛けています。会員トピックス創業110周年創業昭和41年の店舗昭和30年頃の店舗21100周年清水製菓舗永井洋品店

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