所報1月号
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 大学では9年間、工学部で土木について学んでいました。当時はパソコンが普及し始めた頃で、それまで大型コンピューターを使用して計算していたものがパソコンで容易に行えるようになったことから、火災シミュレーターなどを作成していました。その後、富山大学に3年間勤務した後、地元である愛媛で働きたいと考え、愛媛大学に勤めることとなりました。 現在、様々な災害に対するシミュレーターの開発に取り組んでおり、県内各地域にてテストを行っています。その結果をもとに、プログラムの微調整や修正を行い、地域の防災活動にて活用できるよう研究を進めています。また、各地域への啓発活動にも注力しています。現在、住民が中心となり地域の防災計画を作成する地区防災計画という取り組みがあり、その計画を一緒に作成するという活動を行っています。特に、災害時に設置される避難所において、避難してきた人も運営に携われるような避難所づくりを目指し、マニュアル作成の支援を行っています。加えて、各地域の小学校を訪れ、地域の大人と子どもが一緒にまちあるきを行い、防災マップを作成するという防災教育も行っています。この活動を通して、ひとり一人に自分の住む地域の災害リスクを認識してもらうことが大切だと考えています。また、愛媛県は防災士の資格を持っている人が多くいますが、実際にどのような活動を行えばいいのかわからない、知識は持っているが技術力が不足している、という方のためにリカレント教育を行い、防災士の資格を活かせる方法をお伝えしています。 今後は、企業の方とも連携し、地域の防災活動をさらに活性化していきたいと考えています。シミュレーターの研究では、プログラムのノウハウを持った企業の方に開発や販路についてご協力いただきたいと思っています。また、企業の方には、災害時の協定を行政だけではなく、地域の自主防災会とも結んでいただきたいと思っています。引き続き、地域単位での防災計画がより良いものに更新されるよう、当センターがお手伝いしていきます。│プロフィールを 教えてください。│活動内容について…。│今後の展開について…。企業Enterprise愛媛大学 University 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大発のホットな情報を提供します。ぜひ、ご一読ください!~地域と連携してこれからの防災意識を高めるために~平成18年4月に愛媛大学に設置され、行政や地域と連携した実践的な防災研究に取り組んでいる防災情報研究センター。今回は副センター長を務める社会共創学部の二神氏にお話を伺いました。愛媛大学 防災情報研究センター副センター長趣味はドライブ。出張や旅行の際は、有事の備えも兼ねて車中泊を行っている。また、猫好きの一面もある。研究では、住民と一緒に課題を解決することを心掛け、常に現場目線で活動している。コラム23当会議所Chamber of Commerce二神 透氏地域に密着した防災活動を第産学連携で地域経済をパワーアップ!112回

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