所報2月号
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│プロフィールを 教えてください。│活動内容について…。│今後の展開について…。 愛媛大学で学部4年生まで制御工学について学んだ後、京都大学にて同じ分野の研究を行っていました。その後、愛媛大学に戻り、その際に画像処理を用いた物体追跡や映像解析、AIの深層学習などの研究に出会いました。現在は研究開発を進めながら、産業応用へと向けた活動も行っています。 現在は主に3つの研究を行っています。1つ目は、色や模様を用いた物体追跡の研究で、カメラの映像から人の動きを解析するものです。映像を解析して、雑踏の中から怪しい動きをしている人物の特定などに用いることができます。学生とも話し合いながら、車内の防犯に活用できるものを研究しています。2つ目は、動きの特徴を用いた映像解析の研究です。皮膚幹細胞コロニー(細胞の集まり)の動きを映像から解析することで、培養された皮膚組織の品質評価を行う研究で活用されました。3つ目は深層学習の技術を利用した画像識別の研究です。あらかじめ正解となる画像データを使ってAIへ学習させておき、別の画像データと照合させて整合性を識別するというものです。あらゆるものの製造ラインにおいて、これまで人が行っていた検品作業をこのシステムに置き換えることで、製造現場の負担を軽減できると考えています。現在は、実際に工場の製造レーンに組み込んでテストと修正を行っています。 画像処理の技術は昔と比べるとはるかに向上しています。ただ、画像処理システムの精度を高めるには、データとなる画像が鮮明であることが重要であり、高性能なカメラを用いて物体を撮影することで、より細かなデータ採取と識別が可能になります。このため、撮影機材の面で松山の企業の方からご協力いただくことで、より一層、産業応用に向けたシステム開発を進められると考えています。また、画像処理システムは幅広い場面で活用できます。導入を考えている企業の方がいましたら、ぜひご相談ください。 当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進しています。愛媛大学社会連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大発のホットな情報を提供します。ぜひ、ご一読ください!~画像処理技術の研究とこれから~コラム14企業Enterprise愛媛大学 University松山市出身。趣味は日帰りの温泉旅行。リフレッシュのため、車で県内各地の温泉を巡っており、日々の疲れを癒している。「とにかくやってみる」を自らの座右の銘として、学生とともに研究・挑戦を続けている。地域と連携して多様な研究開発を行っている愛媛大学工学部工学科コンピュータ科学コース、応用情報工学コース。今回は画像処理・理解および深層学習、産業応用に関する研究を行っている木下氏にお話を伺いました。愛媛大学 工学部工学科コンピュータ科学コース・応用情報工学コース木下 浩二氏画像処理技術の研究と産業応用第当会議所Chamber of Commerce113回産学連携で地域経済をパワーアップ!

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