リレーコラム 第26回大変革チャンス松山らしさチェンジの時代にを掴む5コラム 4月に娘と二人で、あなぶきアリーナ香川に初めてコンサートを観に行きました。韓国の人気グループの公演ということもあり、当日はお土産店や飲食店など周辺の施設も含め、多くの人で賑わっていました。その光景を目にして、正直なところ、松山の現状に対する危機感を覚えずにはいられませんでした。 全国では、高松市と同様の取り組みを進めている都市が増えています。全国商工会議所観光振興大会で訪れた長崎市でも、アリーナやスタジアムを中心としたまちづくりが進められていました。ただ、同じような施策が各地で進むことが本当に正解なのかと考えると、どこかに違和感もあります。都市間競争が激化し、人口が減少するなかで、こうした活況がいつまで続くのかという不安も拭いきれません。 松山市には、道後温泉や松山城といった有名な観光資源だけでなく、地元の人々にもまだあまり知られていない魅力が数多く残っていると思います。実際に、私も四国遍路でのマインドフルウォーキングに参加し、知らなかった文化や風景に出会うことができました。 こうした既存の魅力を掘り起こし、磨き直すことで、コストや時間を抑えながら新しい価値を創出することができるのではないでしょうか。それらの魅力を丁寧に整理し、つなぎ合わせていくことで、松山ならではの観光やまちづくりに繋がっていくように感じます。そして、その過程の中で、本当に必要な〝マグネット〟となる施設を見極め、限られた資源を有効に活用していってほしいと願っています。 コロナ禍を経て、世の中の変化はこれまで以上に早くなっています。その流れについていくためにも、私たち中小企業は、限られた資源の中でスピード感を意識し、小さな変化を積み重ねながら、やがて大きな変化へとつなげていく姿勢が求められています。まちづくりもまた、同じではないでしょうか。 背伸びをするのではなく、松山らしく、私たちらしく。そんな気持ちで日々の営みやまちづくりに向き合っていけたら、きっとこの街の魅力は自然と広がっていくのではないでしょうか。小さな気づきや工夫を大切にしながら、これからも松山らしい歩みを続けていけたらと思います。えひめ・松山アピール推進委員会副委員長玉 置 剛
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