■プロフィールを教えてください。■えひめ海事産業協働コンソーシアムの 概要を教えてください。今回は愛媛大学において特徴的な先端的研究を推進しているえひめ海事産業協働コンソーシアム技術部会長・教授の松下正史氏にお話を伺いました。 出身は愛媛県八幡浜市です。岡山大学へ進学し飛び級で博士号を取得しました。大学時代は物理を専攻し、金属、主に鉄の各種特性のメカニズムを研究しました。産業に近く、小規模な個人の研究室でも世界と戦える金属物性の分野に魅力を感じて研究していました。 博士号取得後は非鉄大手のメーカーへ就職し、銅やアルミニウムなどの電気を流しやすい金属とプラスチックなどを組み合わせる研究に従事し、その後愛媛大学機械工学科にUターン就職しました。 えひめ海事産業協働コンソーシアムは愛媛大学が作った会議体です。貿易の99・6%を海運に頼る我が国にとって海事産業はライフランです。特に、造船業に携わる企業は合併を繰り返し、今治に本部のある企業群が国内シェアんでいます。そこで、海事産業についての講義及びカリキュラムへの助言、産学技術連携、産業従事者へのリカレント教育、小中高校生などへの地場産業に関する教育の企画などを議論する場■今後の展開について…。〜技術・人材・まちづくりで描く持続可能な未来〜海事産業維新の34%を占め、今治地域への集積が進として活動しています。 日本の労働人口が減少する中、造船業の維持と振興には、ロボット技術やAIを導入し、生産性の高い工場を作ること、船の環境性能を上げていくことが重要になっています。これらは工学の学問分野を横断して、対応する必要があり、多様な教授陣が、本コンソーシアムの企画に携わる体制になっています。 また、教育学や街づくりに詳しい工学部以外の教授陣も参加し、様々な視点から、造船を中心とした地域の課題に向き合っています。産業界からも幅広い皆様に参画いただき、愛媛大学で教■をとるなど、地域全体での大学教育も展開しています。 現在の「造船業」はロボットやAI、電動化など新技術を詰め込める可能性の宝庫になっています。愛媛大学では、令和8年4月に海事産業特別コースを新設します。ロボット、AI、電動化に関連する基礎知識をカリキュラムに入れ、学生さんから、「古い」と認知されている「学問としての造船」のイメージを払拭したいと思っています。 また、オープンイノベーションができる協調領域を探して、技術基盤や教育基盤を共有できるプラットフォームを作りたいと考えています。今治は世界的に名前が通じる海事拠点になりましたが、人材確保が今後の課題です。人口流出を止めるためには、産業だけでなく、町の賑わいや魅力向上を合わせて考えるべきでしょう。本コンソーシアムを起点に、世界と競争できる「人材とイノベーションのエコシステム」を作ることが目標です。当会議所では、地域産業の活性化を目的に、会員企業と大学の連携を推進中です。愛媛大学研究・産学連携推進機構の協力のもと、毎月、愛媛大発のホットな情報を提供!コラム国立大学法人愛媛大学大学院理工学研究科理工専攻機械工学えひめ海事産業協働コンソーシアム技術部会まつした まさふみ松下 正史 教授・部会長学生に対しては無為に時間を消費せず、後々振り返った時に、役に立ったと思う瞬間をたくさん作っておいてほしいと願う。多忙な日々の中で、犬やカブトムシの世話など、後回しにできない生き物を育てていくことで、生活にメリハリを付けている。第142回今治 ・ 松山 ・ 宇和島 ・ 大洲 ・ 西条 ・ 四国中央 ・ 多度津16
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