臨時議員総会三好賢治会頭就任あいさつ 4 本日、髙橋会頭のご推挙と議員各位のご賛同をいただき、第30代松山商工会議所会頭の大任を拝命いたしました。初代会頭であられます小林信近翁から髙橋会頭に至るまで、脈々と受け継がれてきた歴史と伝統、社会的使命を担うにあたり、身の引き締まる思いであります。 まず、本日をもってご退任されます髙橋会頭に対し、会議所を代表しまして心より感謝申しあげます。髙橋会頭におかれましては、副会頭を9年歴任されたのち、会頭として3年間、松山商工会議所の舵取りを担っていただきました。副会頭時代より、ビジネスで養われた知見をもとに行政・大学と連携しながら数多くの海外経済ミッションに携わり、地域のグローバル化を推進されました。会頭就任後は「change!chance!challenge!(通称:3つのC)」をスローガンに掲げ、企業支援やまちづくり、委員会活動の活性化等に取り組まれました。また、会員の皆さんとともに国内外の先進地域に出向き、そこで得た情報や学びを各種事業に活かされるなど、まさに「現場主義」を地で行かれた髙橋会頭の姿勢は、我々が範とし継承していくべきものと考えます。こうした髙橋会頭の12年間にわたる多大なるご功績に対し、改めて深く敬意を表します。今後は顧問として大所高所よりご指導いただきますよう、お願い申しあげます。 さて、会頭就任にあたり、所信を述べさせていただきます。我が国経済においては、少子高齢化を背景とした人口動態の急激な変化に直面しており、これに伴う労働力人口の減少が日本の社会基盤を揺るがしかねない脅威となっています。特に地方では、医療・福祉、交通といった生活に密着するサービス基盤の維持、老朽インフラの更新といった地域課題が深刻化しており、これらは突き詰めれば人手不足と不可分の問題と言えます。このような中、我々は「企業を育て、地域を伸ばす」という共通理念のもと、地域の多様な主体の結節点となり、持続可能な地域の未来を創っていく存在でなければなりません。こうした使命、在り方を考えるうえで、私たちが学ぶべきは、商工会議所の祖である渋沢栄一翁の精神にあると考えます。渋沢翁は「民の繁栄が国の繁栄につながる」という信念のもと、商工業者の声を集め「世論」を形成する場として東京商工会議所を創立され、その初代会頭に就任されました。また、彼が残した「論語と算盤」に記された「我も富み、人も富み、而して国家の進歩発達を助くる富にして、はじめて真正の富といえる」という言葉には、経済活動が単なる利益追求を超え、社会全体の幸福や発展に寄与するものでなくてはならないという深遠な経営哲学が示されています。これはいわゆる「売り手・買い手・世間」を等しく潤す「三方よし」や、現代におけるウェルビーイングの思想にも通ずるものと思われます。また、本年4月に日本商工会議所が提言した「官民共創によるシン・日本創生」における、地域の「しごと」「まち」「ひと」の好循環が日本経済の再活性化を実現するという考え方にもつながっていると考えます。 これらを踏まえ、私は松山商工会議所会頭として「しごと」「まち」「ひと」の3つをより良いものとすることを使命とし、職務に全力で取り組んで参ります。そして、この地に魅力ある「しごと」を増やし、地域の未来を支える「まち」をつくり、そこで働く・暮らす「ひと」の人生を豊かなものとし、持続可能な地域社会の実現に向け尽力していく所存です。そのためのスローガンとして「3つの良しで地域の明日を創る」を掲げさせていただきます。 1つ目は「しごと良し」であります。これについては、当会議所事業の柱である「企業の支援」と関連して申しあげます。 人口減少時代を迎え経済規模は縮小傾向にありますが、資本の蓄積とイノベーションによる生産性向上を通じた経済成長を成し遂げることは可能です。当会議所としては、その成長の起点となる地域のしごとを、より良いもの、魅力あるものとする施策を展開し、地域産業競争力の強化を図っていきたいと考えております。 具体的には、本業での成長を実現するための経営計画策定、補助金活用等の経営相談機能を拡充して参ります。また、新たなしごとを創出するための先進的なノウハウ・知見を学ぶセミナー等を積極的に開催していきます。加えて、産業特性を踏まえた地域のポテンシャルを最大限に活用するため、多面的なグローバル化の支援とAI・デジタルを活用した生産性向上を図っていく施策等も展開していく予定です。会員をはじめとする地特集
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