髙橋前会頭退任あいさつ5特集域企業の経営支援は、商工会議所が果たすべき役割の「一丁目一番地」ですので、「しごと良し」の実現に向けて、先ずもって重点的に取り組んで参ります。 2つ目は「まち良し」であります。これについては、企業支援と並ぶ柱である「地域の活性化」と関連して申しあげます。人口動態の変化が地域社会に与える影響は極めて大きく、地域における支え手・担い手が減少していくことを踏まえると、まちの在り方そのものを見直していく必要があります。松山市は現在「100年に一度のまちづくり」を迎えておりますが、地域の総合経済団体である当会議所では、今年度中に「まつやま・まちづくりビジョン」を策定することとしています。30年先も持続可能な松山のまちに必要な機能や、将来の地域を担う産業の在り方とは何か、といった視点に加えて松山型のウェルビーイングを定義し、これを策定・実践していきたいと考えています。併せて、観光振興や農商工連携、本年8月に60回の節目を迎えた野球拳おどりも含めた地域活性化に資する事業にも注力し、「まち良し」に繋がる各種施策を展開していきます。 3つ目は「ひと良し」であります。これは「人手と人材を地域につなぐ」という観点から申しあげます。人口問題においては、その根底に在る地方における閉塞感、とりわけ性別による役割分担や固定観念といったアンコンシャス・バイアスにより、女性や若者が能力を発揮しにくい状況が生まれ、地方離れが加速する原因となっています。これを踏まえ、当会議所では女性や将来を担う若者へアプローチする施策と絡めて展開していきます。また、既に取り組んでいる人材マッチング事業についても、人材プラットフォームの活用を検討するなど、さらなる高度化を図りたいと考えています。なお、「ひと良し」の実現に向けては、魅力あるしごとの創出と、選ばれるまちの整備、そのための官民連携での投資が不可欠です。積極的な情報発信と提言活動を通して民意を地域政策に反映させるべく努めます。 最後に、この「3つの良し」を支える当会議所の「組織改革・体制整備」にも注力して参ります。まずは、当会議所の6、000会員の維持・拡大に向けて、当会議所に求められる役割の再定義と組織の基盤強化に取り組みます。また、商工会議所の根幹である部会・委員会といった活動につきましても、本日ご参集の議員の皆さまを中心に、積極的な参画をお願いしていきたいと考えております。 以上、会頭就任にあたりまして、所信の一端を申し述べさせていただきました。今後については、スローガン「3つの良し」を軸として、当会議所の3年間のビジョンである「中期行動計画」を年度内に策定していきます。また、ビジョンの実現においては、副会頭さんをはじめとする議員のみなさま、関係各位のお力添え無くして成し得られることではありません。みなさまと一丸となって全力を尽くして参りますので、一層のご支援、ご協力をお願い申しあげ、所信とさせていただきます。 本日をもって、３年間の任期を全う出来ました。あらためて、議員の皆様のお力添えに心から御礼を申しあげます。 この３年間を振り返りますと、就任時は新型コロナの影響がまだありましたが、社会経済活動が正常化して参りました。こうした中で、「change！chance！challenge！」をスローガンに掲げた、中期行動計画を策定し、企業の支援や地域の活性化に向け、事業を積極的に展開して参りました。中期行動計画に掲げた事業も、概ね実施し、成果があったものと感じております。 事業においては、やはり、現地に赴き、見て、感じることが重要だと思います。委員会などで、積極的に視察を行っていただきましたが、私も任期の３年間、海外は、インドを２回訪問するとともに、インドネシア、韓国へ行き、また、国内では、水戸、鎌倉、長崎、大分、北海道の東川町などを訪問させていただきました。本当に多くのことを学ぶとともに、ビジネスにもつながる活動ができたと考えております。 また、地域の活性化に関しては、６０回の節目を迎えた野球拳おどりに関しては、ピコ太郎さんにお越しいただき、天候に恵まれなかった部分もありますが、盛大に開催することができました。また、まちづくりに関しては、ビジョンの策定をはじめ、幅広い取り組みを進めて参りました。しかしながら、市内のまちづくりが進んでいるとは言い難い状況であり、歯がゆい思いはございます。三好新会頭をはじめ、議員の皆さまにおかれましては、今年度中にビジョンを策定いただき、当会議所が旗振り役となって、これまでの活動をもとに、まちづくりを進めていただきますようお願いします。 あらためて、少子高齢化と人口減少が進行し、企業の人手不足が加速する中、コストや賃金の上昇が続いており、企業や地域は難しいかじ取りを求められております。こうした中で、地域の経済団体である商工会議所の役割はますます重要になると思います。三好新会頭のもと、大きな時代の転換期を乗り越え、子や孫といった次の世代が松山に魅力を感じることができるように、経済活性化やまちづくりの取り組みを、これまで以上に積極的に展開していただきますよう、お願いいたします。 結びに、ご参会の皆さまのご健勝とともに、松山商工会議所のますますの発展を祈念して、退任の挨拶とさせていただきます。３年間、本当にありがとうございました。
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